退職すると決めてから始めたこと

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世の中には
仕事も会社も星の数ほどあるのに
一カ所しか知らないのは勿体ない

退職を考えたきっかけはこれだけど、
今思うと、ものすごく贅沢な悩みだなー。
健康で、安全で、不自由のない環境にいるからこそだと思う。

でも正直に言うと、

仕事つらい
もう十分頑張った
終わりにしたい

という「逃げ」の気持ちも、少なからずあった。

数年前、たった3人の部下のうちの１人から、
退職相談を受けた。

希望時期があまりに急で、困り果ててしまった自分は、
有休消化を求める部下に対して、

「どんなにつらくても、引き継ぎまでは責任をもってやり遂げてほしい」

と話したのを覚えている。

この言葉自体への反省や後悔はないけど、
今にして、本人からもっと話を聞いてみればよかったなーと思う。
自分が退職する立場になってやっと、
「逃げたい」と思う気持ち、弱い自分と向き合えるようになったからだ。

多分、逃げたくなくても、逃げるしかないことだってあるんだろうな。

ただ、自分の場合は、そこまで深刻じゃなかったし、
「逃げたい」という気持ちへの後ろめたさの方が強かった。
仕事を言い訳にして自分の殻に閉じこもっているだけな気もしたし、
本当に転職しないと自分の世界は広がらないのかと問われると、そんなこともない気がした。

それで、どうせ退職するならその前に、
「ずっとやってみたかったけど仕事を言い訳にしてやってこなかったこと」を
1年でとことんやってみることにした。
具体的には以下のようなことを。

１人で海外旅行に行く

コンチェルトに挑戦する

ダンスを始める

5kg以上痩せる

ファッションを変える

コンチェルトはたまたま所属楽団からお話をいただいたので乗っかり、
「一生弾くことなんてないだろう」と思っていたくらい自分にとっては難曲を、
（出来はともかくとして）とりあえずやりきった。

ダンスはダイエットも兼ねて通い始めたジムでZUMBAのクラスを受けた。
30代にして初めて体験したダンスは、ものすごく楽しかった。
ついでにランニングにも嵌まった。
最初は5分も走れなかったのに、いつの間にか何時間でも走れるようになった。

ダイエットは最終的に13kg痩せた。
自分でも引くくらい痩せた。
レッグマジックサークルに始まり、
炭水化物抜きとか一日二食とかダイエット法を手当たり次第やりすぎて、
結局何が成功要因だったのかわからない。

ファッションは、一生することはないだろうと思っていたショートヘアになったり、
一生着ることはないだろうと思っていたミニスカートをはくようになった。
鏡に自分が映るのが憂鬱じゃなくなった。

海外旅行は、死に物狂いで仕事を調整して1カ月休暇を取り、
エーゲ海クルーズに行った。
女一人のクルーズ旅行はホラーレベルに孤独だったけど、
最終日は下船したくなくて泣いちゃうくらい、ひたすら楽しかった。

全部大変だったし、吐くほどつらいときもあったけど、
なんとか仕事と両立できたし、それなりに世界も広がった。
一つひとつは小さくて、客観的に見たらすごくもなんともないことでも、
やり遂げられたことは小さな誇りになった。

結局、私の場合は、中身はほぼ何も変えられなかったし、
さらにもっと色々やってみたくなってしまったので、
改めて退職の意志を固めた結果になった。
でも、後ろめたさや情けなさは感じなくなった。

だから、もし自分と同じように、
逃げてる感や後ろめたさで退職に迷いがある人は、
まずは仕事を続けながら色々チャレンジしてみるのも手かもしれません。
（余裕があればの話）
就業形態が多様だったり、副業OKの会社だったら
もっと選択肢が広がったのかもしれない。

でも、精神も肉体も限界だと思ったら、逃げてもいいと思う。
今の自分だったらきっと、当時の部下に、
もっと違う接し方ができたのにな。

あとは、そもそも転職できるのかとか、
貯金とか、年齢の不安とか（女性の場合は特に）もありますよね。
その辺のこともいずれ書きたいと思う。

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