Blog, オーストリア

愛人宮殿と要塞城ときいろいゾウ

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2016/9/23
ザルツブルク

 
ザルツブルク滞在最終日。
最終日にして初めて街歩きをする。

ザルツブルク地域の歴史は恐ろしく古い。
新石器時代には既に人類が生活していた形跡が見られ、鉄器時代にはハルシュタット文明に発展し高度な社会が築かれていたという。
昨日訪れたハルシュタットからはケルト人の古代遺跡も見つかっており、考古学的にも胸熱な場所なのだ。

中世以降、ザルツブルクは神聖ローマ帝国の大司教区になり、カトリック国家として地位を高めていった。
今でこそオーストリアの一都市だけど、モーツァルトの時代はオーストリアと対等の独立国家だったというから驚きだ。
歴代の大司教たちが街を整備していき、現在の美しいザルツブルクの街並みに至っているらしい。

ところで映画「サウンドオブミュージック」の舞台にもなっているミラベル宮殿ができた由来がちょっと面白い。
この宮殿も元は大司教ヴォルフ・ディートリヒ・フォン・ライテナウさんが建設したんだけど、訪れた田舎町で一目惚れしてザルツブルクまで連れてきた愛人サロメ・アルトさんに贈ったものらしい。
大司教は聖職者なので生涯独身だけど、愛人くらいみんな普通に囲ってたんだそうだ。

こういうエピソードを聞くと改めて「カトリックってよくわかんねーな」と思ってしまう。
でも実際その私欲によって現代まで称えられる美しい宮殿や街並みができたわけで、捉え方によっては身分の違いを越えたロマンチック大恋愛とも言えなくもないし、面白いなぁと思う。
そして大司教の権力はやはり絶大なものだったんだなと。

その後フランス革命によってザルツブルクは共和政フランスに占領され、ナポレオン戦争後に一時バイエルン王国領になり、ウィーン会議で最終的にオーストリアに併合された。
おそらくオーストリアとドイツの境目という立地条件もあって、なかなか波乱万丈な歴史を歩んできた街なんだなぁと思った。
そしてヨーロッパの歴史はやっぱりややこしいなぁとも。。

 
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そんなザルツブルクの街歩きは、先述したミラベル宮殿からスタート。
確かに美しい宮殿!というか庭!
「サウンドオブミュージック」見返してから来ればよかったなぁ。

 
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宮殿の後は橋を渡って旧市街へ。

 
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出た! 海外のお約束「南京錠だらけ橋」。
こんなことしたって別れるときは別れるって!(←このときちょっと荒んでいた)

 
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旧市街のレジデンツ広場へ到着。
移動遊園地だー!

 
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ノスタルジックだなー

 
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メリーゴーランドと言うより回転木馬と言いたくなる雰囲気

 
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オーストリア名物のプレッツェル。
至る所で売っている

 
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看板犬くん

 
広場から丘を登ってホーエンザルツブルク城へ行く。
ホーエンザルツブルク城は、11世紀の聖職叙任権闘争で勃発した教皇派・皇帝派対立の防御壁として建てられた要塞城。
前述した大司教ヴォルフ・ディートリヒ・フォン・ライテナウは最終的にこの城に幽閉されて獄死したそうだ。
なんとまぁ。。

で、この城が想像以上に面白かった!
雰囲気がまさに、「城」というより「要塞」なのだ。
子どもの頃大好きだったLEGOの要塞を思い出した。
以下写真でお楽しみください。

 
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竜の装飾を何度も見た気がする。
何か由来があるのかな?
ググっても出てこなかった。

 
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もちろん景観も最高!
街を出るとすぐ大自然が広がっていることがわかる。

 
面白かったホーエンザルツブルク城!
今まで行った城の中で一番好きかも。

 
このあと本当は世界的に有名なザルツブルクのマリオネット劇を観に行きたかったんだけど、残念ながらまだ夏休み中だった。
夏休み長いな…!
しょうがない、マリオネット劇はプラハの楽しみに取っておくことにした。

 
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旧市街から再び橋を渡って宿に戻る。
川沿いの芝生がすごくいい感じで、思わず座り込んだ。
宿に日本語の小説があって借りていたのでそれをしばし読んだりした。
なんという優雅な時間だ。

 
で、宿に帰ってからもその小説を読んだんですけどね。
西加奈子著「きいろいゾウ」という本だったんですけども。

読み終わって
「結局ツマはムコの日記を読んでいたのか?いなかったのか?」
がものすごく気になり。
自分が何か重要箇所を読み飛ばしたんじゃないかと思ってもう一度読み返してみたけど、やはり答えを見つけられず。
(但し映画版でははっきりと「読んでいる」描写があるらしい )
なんなんだこれは。
実は推理小説なのか? 叙述トリックか?

ググっても答えが見つからなかったのと悔しかったのとで、自分なりに推測してみた。

結論:
ツマは途中から日記を読み始めたが最後の手紙は読んでいない

推測過程:
・海に行った日から読み始めたのではないか
・ツマの主観文とムコの日記の齟齬がそこから無くなる(「わざわざ貯金」と「ざわざわ貯金」など)
・海から帰った日のムコの日記にツマが「ごめんなさい」と言った記載あり(「熱を出してごめんなさい」ではなく「日記を読んでごめんなさい」と解釈)
・海に行った後からセックスレス(日記を読んでしまい気まずくなったと解釈)
・ムコが東京へ行った後は部屋に入れなかったと記載あり(つまり最後の手紙だけは読んでいない)

 
リアルタイム現在も未だに気になっている。
誰か答え知ってたら教えてください!

 
 
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2016-10-02 | Posted in Blog, オーストリアNo Comments » 
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