Blog, カザフスタン

ジャイアンと好青年に6千円

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2016/8/15
アルマトイ

 
20時半、アルマトイ行きの飛行機はウルムチ国際空港を離陸した。
機内では中国語と一緒にロシア語のアナウンスが流れた。
いよいよ人生初のロシア語圏に入るんだなぁと実感した。

 
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ウルムチは中国時間が採用されているけど、位置的には実際は2時間の時差があるので外はまだ明るかった。
窓から地上で感嘆しまくった山々を見ながら中国に別れを告げた。

 
カザフスタン時間の20時半、飛行機はアルマトイ国際空港に着陸した。
イミグレーションでは何も質問されることなくあっさり通過できた。
うーんやっぱり空路入国は楽だなぁ。。高いけど(´Д`)

 
手持ちのドルをカザフスタンの通貨テンゲに両替し、宿に向かうべくバス停に向かった。
アルマトイ空港の駐車場を出て300メートルほど歩いた場所から市内行きのバスが出ていることはリサーチ済み。

ただ不安なのは、この時間でもバスは走ってるかどうかの一点だった。
空港を出た時点で21時を超えていた。

バス停に着くまでの間も着いてからも、何度もタクシーの客引きにあった。
それらを無視してバスを待っていると、バスが一台到着した。
しかし中には誰も乗っていない。

ドライバーに「市内へ行きますか?」と聞くと、大きく首を振られた。
そもそも市内行きのバスがまだ出ているのか聞きたかったけど、英語が通じないのでそれ以上のコミュニケーションが取れなかった。
でも様子から察するにバスはもう終わってしまっている気がした。
だからタクシーもあんなに声かけてきたのかなと。
そして自分以外誰も人がいないことも追い打ちをかけた。

バスが行ってしまった直後、白タクが声をかけてきた。
もう夜で暗いし、これに乗って宿まで行くことにした。
高くつくだろうけど仕方ない。

ただ、今思うと、やっぱりバスはまだ出ていた気がする。
タクシーで走っている間、街中を走っているバスと乗車する人たちをたくさん見かけたからだ。
空港で英語が通じる誰かに聞いてみるべきだったな。

 
タクシーのドライバーはガタイのいいカザフスタン人のおじちゃんだった。
iPadでmaps.me上の宿の位置と現在地を見せるも、場所がわからないようだった。
それでもとりあえずタクシーは走り出した。

おじちゃんは何かをしきりにロシア語で話しかけてくるけど、もちろんさっぱりわからない。
ずっと「ははは」と苦笑いしていると、やがておじちゃんは相乗りの客を探し始めた。
どうやら英語が話せる客を探してくれているらしかった。

しばらくしてロシア人らしき若い女性客が見つかった。
この子は少しだけ英語が喋れた。ありがたい!
地図を見せると、ドライバーにロシア語で何やら伝えてくれて、車は勢いよく再発進した。
どうやらこの子も運転手も場所がわかったらしいと解釈した。

しかし、GPSでずっと現在地を確認していたら、地図上では曲がるべきところを車は直進してしまった。
こっちの方が近道なのかなとか、女性客の行き先に先に行くのかなとか思いつつ、その間も車はどんどん宿から遠ざかっていった。

しばらくしたところで車が止まった。
どうやら女性客の目的地に到着したらしかった。
そして女性客が降り際、片言の英語でこう言った。

「ごめん、あなたの宿の位置わからなかった」

 
ええええええ(´Д`)
うそやーん

 
じゃあもういいよ、私がナビするよと思ったけど、通訳を失った今、英語全く通じない問題が再発。
「まっすぐ」「曲がって」さえロシア語で言えない自分。

 
おじちゃんは再び通訳となる客を探し始めてくれた。
すると比較的すぐ、今度もロシア人らしき若い男性客が見つかった。
恐る恐る「えっと、英語話せる…?」と聞いたら、「ええ、話せますよ!」と力強く返事が!
この子は英語ペラペラだった! ヒーロー現る!

 
この子はアプリケーションの使い方にも明るくて、すぐに場所を理解しておじちゃんにロシア語で伝えてくれた。
おじちゃんも「ああ、あそこか!よっしゃ任せとけ」って感じで快調に運転しだした。
どうやら無事に着けそうだとホッとした。

余裕が出てきたのか、おじちゃんは運転しながら再びロシア語で色々話しかけてきた。
「どこから来たの?」「いつまでいるの?」とか。
例の好青年が一つひとつ丁寧に通訳してくれる。

「彼は、あなたがアルマトイにいる間に是非もう一度あなたに会いたいと言っています」
「あ〜…ハハハ」
「あなたはとても美しいからだと」
「えーっと、おじちゃん結婚してるんじゃないの?」
「独身だそうです。あなたも独身ですか?」
「うーん、独身だけど彼氏いるよ」
「オーマイガー」

しばらく走って再び。

「彼はボクシングのコーチをしているそうです」
「へー!すごいね!」
「だからあなたの彼氏よりも強いと言っています」

なんだとコラ!!
こっちは兵役出てんぞ!!
そりゃ確かにおじちゃんガタイいいけど、武器アリだったらこっちにも勝機が…
てか、カザフスタンにも兵役ありましたね。失礼しました。。
そんなことより早く宿に着いてくれないだろうか。

「とにかく、彼はあなたにもう一度会いたいと」
「(anywayじゃねーよanywayじゃ)いや〜会っても言葉通じないしなぁ」
「ええ、だからその時はまた僕にも立ち会ってほしいと」

ジャイアンか!
てか好青年よ、君もそれでいいのか!

 
そうこうしているうちに無事宿に着いた。
おじちゃんと青年は荷物運びも手伝ってくれた。
して、お幾らですか?

「彼は20,000テンゲだと言っています」

20,000テンゲ…?ってことはえーと、
約¥6,000?

たっか!!
めちゃ高!!

そりゃ確かに長時間乗ってたけど!
だとしても相場からいくとせいぜい¥10,000テンゲくらいでしょ!
てかほとんどおじちゃんが迷ってた時間ちゃうんか!

 
…ってすごく言いたかったけど、この好青年にこんなこと言えないorz
彼のおかげで辿りつけたようなものなのだ。
想像以上に高額だったけど、 何も言わずお支払いした。
おじちゃんにも、途中通訳を探しまくってくれたことは素直に感謝した。
嗚呼これだけあれば安宿に6泊できるなぁとか思いながら。

 
気を取り直して、アルマトイの宿はこちら。

 
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ホステル ドム
女性専用ドミトリー1泊¥444
wifi、ホットシャワー有り

物価高めのカザフスタンにして破格すぎる宿。てか世界的に見ても破格な気が。
スタッフさん英語ペラペラでとても親切!
設備も綺麗だしwifiさくさくだし洗濯機あるし神宿だった。

 
いやーなかなか疲れる1日だった。
明日は、これまで悉く失敗しているウズベキスタンビザ申請。
今度こそ取れるのか?

 
 
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2016-08-22 | Posted in Blog, カザフスタン2 Comments » 

コメント2件

 齋藤 清 | 2016.08.22 16:36

旅力がグングンと上がっていますね。

旅力が上がるにつれ英語力もぐんぐん上がっていくと思われます。

もともと実力のある人ですから旅の経験値を増やせば後は楽勝かも。

シモ姉さんをチェレ楽に紹介したらこんな返信を頂きました。

『齋藤さん

ダザイです。
励ましと応援をありがとうございます。

そうですね~。私たちも国外へ出てしたい活動や旅があるので実現できるようがんばります。^^

シモーネさん、すごいですね、一人だし本当に勇気があって尊敬します。二人ともビビリなので。。^^;

旅の写真、いつもとても素敵ですね。

そしてブログで、ハープを飛行機に載せることについて書かれていましたが

私たちもいつも心配のタネになるので大変親近感を覚えました。

シモーネさんに音楽を聴いて頂いて大変光栄です。

悩んだりくじけたりもしますが、喜びはそれを上回るので、続けていけたらなあと思っています。

遠くないうちに、きっとシルクロードで弾かれるんでしょうね~。素敵だなあ。

シモーネさんに楽団のことをご紹介頂いてありがとうございました。

引き続きブログも楽しみに読ませていただきます。
よろしくお伝え下さい~。

まだしばらく暑そうです。
齋藤さんも体調に気をつけてお過ごし下さい。

敏雄・陽子』

と言うメッセージを頂きました。

所で疑問というか質問なんですけど。

ワテはシモ姉さんがハーブを担ぐのは金丸文武さんやZORROさんのように『シモ姉バスキングワールツアー』を企画しての事だと思っていたのですが、これからバンバンそおゆうことになるのでしょうか。

何しろチェレ楽をけしかけましたから。

『★チェレステ楽団バスキングワールドツアー★を提案します。国内は知れてます。日本でウダウダしてるよりも世界に出ましょう。世界にはチェレステ楽団を待ってる人々がどれだけいることか。あの美声。歯科医の渡辺先生が天国に誘われたあの歌声。世界が待ってます。

チェレステ楽団だったら1000ドルプレイヤー/per dayも夢ではない。』

とチェレ楽にメールしますた。

いま地球上で日本人がバスキングで資金を得て旅と云う名の生活をしてます。

シモ姉さんも勇気を出してチャレンジして下さい。町行く人に演奏を聞いてもらうことでお友だちも沢山出来るしハプニング&サプライズも盛り沢山。

地球を引き回されるハーブの為にも。

チェレステ楽団に見本を見せてやってくだしゃんせ。

 シモーネ | 2016.08.23 3:14

>齊藤清さん
ありがたいお言葉を、本当にありがとうございます…!!
チェレステ楽団さまからのお言葉も、ありがとうございます!!
こんなブログ読んでいただいてありがたいやら申し訳ないやら。。でも本当に光栄ですし励みになりました!

旅力、むしろ低すぎて凹む毎日です(´Д` )
最近は陸路国境越えで車に置いていかれたり。。

ハープは、私の場合「旅先で弾いて旅情に浸りたい」という完全に自己満足の目的で持ち歩いてまして、最近は宿泊先の宿の人に聴いていただく機会も多く、それで満足しています。
バスキングは、確実に安全と思える範囲で、もし機会があれば、くらいですかね、、、
今までやったのも台湾でだけですね〜ご期待に沿えずすみません。。
ハープを弾くことは旅が終わるまでずっと続けようと思っています!

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