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海峡は王族気分で渡るに限る

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2016/11/11
タンジェ→アルヘシラス→グラナダ

 
遂にモロッコ最終日。
ジブラルタル海峡を越えてスペインへ渡る。
それにしても船で大陸を渡るという行為は、何故こうもロマンを感じさせるのだろうか。

 
タンジェからスペインへ渡る航路は、

・タンジェ旧港→タリファ
・タンジェ新港→アルヘシラス

の2種類がある。
タンジェ側は旧港の方が栄えているが、スペイン側はアルヘシラスの方が栄えている。
要するにタンジェ旧港→アルヘシラスの航路があればベストなのだが、ないものは仕方がないので、どちらかを選ぶしかない。

自分は今日中にグラナダに着きたい関係で、グラナダへの交通の便が良さそうなアルヘシラス着を選択した。
よってタンジェ新港に向かう必要がある。

ちなみにジブラルタル海峡越えは旧港ータリファ間を選択する旅行者が多いようで、新港の情報がなかなか見つけられなかったんですが、「ハネムーンマラソン〜世界一周ぐるりRUN〜」さんのこちらの記事が大変参考になりました!
ありがとうございます!!

 
タンジェ駅から新港直通の列車は、2016/11/11現在で朝7時から出ていると、昨日のタクシーのおじちゃんが教えてくれた。

…が、なんと寝坊してしまい、起きたら6時半だった。
列車間に合わず。
せっかく高いお金出して駅近のホテル泊まったのに(´Д` )

 
だがしかし、これはまだ想定内。
先述のハネムーンマラソンさんの記事で、駅前のバス停からバスでも行けるという情報を得ていたのだ。

バス停は、

 
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この星印のあたりにあった。
標識も何もないけど、人がたくさん集まっているのでなんとなくわかる。

記事にあった通り「I-3」のバスに乗車。
念のためドライバーさんに「タンジェ MED(新港)?」と聞くと力強く頷いてくれた。
チケット代7ディルハム。

 
40分ほどで新港付近に到着。
停留所表示もアナウンスも降車ボタンも無いので、maps.meで現在地を見ながら、それらしき付近に差し掛かったところで降ろしてもらった。

 
が、自分は場所を勘違いしており、maps.meでいうところの

 
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この「Port Passagers Tanger Med」ってところを目指してたんですが、

 
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実際はずっと北の「Gare de Tanger-Med」(鉄道駅)がそのままチケット売り場&出国手続き所だった。
行かれる方はお気をつけください。

 
そうとも知らず南へ向かって歩いていると、港の警備マークがついた車が通りかかり、乗っていた警備員さんたちが「どこに行くの」と声を掛けてくれた。

スペインに行くからフェリー乗り場に向かっていると言うと、「逆方向だよ」と。
「えっそーなの、わかった、ありがとう」と方向転換しようとすると、遠いから送る
ってあげるよと言って、車に乗せてくれた。
なんと優しい。。

警備員さんたちは英語がほとんど通じなかったけど、身振り手振りで「日本人か、よく来たね」「これからも気をつけて」とあたたかい言葉を掛けてくれた。
最後にまたモロッコ人の親切に触れることができて嬉しかった。

 
が、モロッコの「おもてなし」はここからが更に本番だった。
警備員さんたちは北へ向かうことはできないらしく、自分がもともと勘違いで向かっていた南の港の方に連れていってくれて、そこの担当の人に「彼女を新港の入口まで送ってくれ」と頼んでくれた。

で、この担当の方がなんだかやけに品のある方で、見た目は普通に恰幅のいいおじさまなんだけど、流暢な英語で、英国紳士顔負けのレディーファーストな応対をしてくださった。

恐縮する間もないくらいスマートに荷物を持ってくれて、近くのベンチに座らせてくれて、「今車を呼んでいますからこちらでしばらくお待ちください」と。
さらにどこからか出国カードを持ってきてくれて、「今のうちにこれを書いておくとスムーズですよ」と手渡してくれた。

待ってる間、日本人だと話すと「日本人ですか! 日本はとても良い国ですね」と言ってくれた。
どうして良い国だと思うのか聞いてみたかったけど、時間がなくて諦めた。
「フランス語かアラビア語はできるんですか?それとも英語だけ?」と聞かれて、「英語だけ少し」と答えると、「なんと!よくここまでいらっしゃいましたね」と笑っていた。
でもモロッコは、観光地ばかり行ったからかもしれないけど、全体としてかなり英語が通じた印象だなぁ。
なんなら日本語まで話す人も多かったもんなぁ(´Д` )

やがてタクシーが来て、荷物を運び入れてくれて、ドライバーさんにアラビア語で丁寧に託けをしてくれた。
親切にしてくださってありがとうございますとお礼を言うと、とんでもないと言わんばかりに恭しくお辞儀をして、手を胸にあてて「my pleasure」と言ってくれた。

 
この胸に手をあててお辞儀をする動作が、なんだかものすごく気品に溢れていて、思わず見とれてしまった。
この人は実はモロッコの王族関係の人なんじゃないかなんて妄想してしまったくらいだ(←)
ちなみにその後乗ったタクシーのドライバーさんも、港に着いて降りた後全く同じ動作で「my plesure」と言い、お金も一切受け取らずに去っていった。

一体なんなんだこれは…!
今までの街で受けてきた「ニーハオ」「カワイイネー」「ビンボープライス!」とは、全然ノリが違うじゃねーか。
モロッコにこんな一面もあったとは。
なんなら今までの人生で受けたおもてなしの中で、一番気品を感じたかもしれない。

モロッコで気品あるおもてなし…
意外!(←失礼)

 
そうこうして無事辿り着いたタンジェ新港は、とても大きくて綺麗で近代的な施設だった。
港というより空港のような雰囲気。
そして人がほとんどいない。
というかむしろ旅行者らしき人は自分しか見当たらなかった。
ここで本当に合ってるのかと不安になる。。

 
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時間的にちょうどよかった「FRS」というイルカマークの会社のチケットを購入。
港税込みで250ディルハムだった。

 
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チケット売り場の近くにカフェがあったので朝食を食べた。
で、自分はこのときまだ知らなかったんですが、ここから出国審査を通り、更にバスで乗り場まで移動することになるので、結構時間がかかる。
出航時間の遅くとも45分前には出国ゲートに行った方がいいと思います。
自分はのんびりご飯を食べていたので結構ギリギリになってしまった。

 
出国審査場も、通るのは自分のみ。
空港並みに広いスペースに、いたのは審査官1人と自分だけだった。
こんな出国は初めてだ。
そんなにマイナーな海路なんだろうか。。
それとも時期的な要因か?

 
出国審査後、再び怒涛の「おもてなし」。
というか、多分乗客が誰もいなかったから、スタッフさんたちがみんな暇だったんだと思う。
乗船場までのバスに恭しく「こちらです」と誘導され、自分1人だけ乗った状態でバス発車。
バスを降りてから船の中まで一定距離毎にスタッフが配置されており、「乗り場はこちらです」「荷物置き場はこちらです」とマンツーマンで誘導され続けた。

こんな手厚い出国のおもてなし、
未だかつて受けたことない!
この段階ではもう、「実は自分はモロッコ王族の重要人物で、ここにいる人たちはみんな王家の密命を受けている家来に違いない」というところまで妄想が爆発していた(←)
いや〜なんか得した気分だったなぁ。
モロッコ新港で親切にしてくださったモロッコ人の皆さん、ありがとうございました!!

 
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そうこうして、無事乗船。

 
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ほんっっっとに人がおらん。
すごく立派な船なのに。
これ絶対フェリー会社儲からないでしょ。

 
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スペインは想像以上に近かった。
タンジェから対岸にスペインがもう見えていた。
乗船時間も約2時間と短い。

 
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ああ、本当は タンジェでは、あの偉大なる旅人イブン・バットゥータのお墓参りがしたかったんだよなぁ。
スケジュールを完全に読み誤って、行く時間が捻出できなかった。
せめて、かつてイブン・バットゥータも渡ったこのジブラルタル海峡を眺めながら思いを馳せた。
少年時代のイブン・バットゥータもきっと、タンジェの街からスペインを眺めては、いつかこの海峡を渡ることを夢見ていたに違いない。

 
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アルヘシラス港に到着。
どでかい重機がかっこいい。

 
船を降りて、スペインの入国手続き。
何の質問もされずあっさりスタンプを押された。
なんと荷物のX線検査もなかった。
楽でありがたいけど、こんなにゆるい入国審査で大丈夫なのかと心配になってしまう。

 
港を出て、無事スペイン上陸!
ヨーロッパに戻ってきたぞー!!

 
さて、アルヘシラスに着いたはいいものの、グラナダ行きのバスにどこで乗れるのかわからない。
港から出て少し歩いたところにツーリスト・インフォメーションがあったので聞いてみた。
ブースのお兄さんは片言の英語で、バス乗り場と時間と値段を丁寧に親切に教えてくれた。

 
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こちらの星印がグラナダ行きのバス乗り場。
Portilloという会社のバスで、16時半発・25.9ユーロで乗った。
グラナダ行きはこの16時半が最終だったけど、1日に数本出ているようだった。
他にもマラガ、コルドバ、バルセロナ、マドリード等へのバスも出ていた。
うん、事前情報通り、交通の便が良いんだなアルヘシラス。

 
3時間45分でグラナダのバスターミナルに到着。
既に夜になってしまった。
すぐそばから市バスが出ているみたいだったけど、何番にどう乗れば宿近くに着くのかさっぱりわからず、諦めてタクシーを捕まえた。
ああ、やっぱりタクシーはメーター制が一番だよ…(←ルール偏愛)

 
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Oh! My hostel
混合ドミトリー1泊 17ユーロ
朝食付き

モロッコ前にスペイン旅行済のしおんさんが教えてくれた宿。
清潔でキッチンあって朝ごはんまで出て、とても良い宿だった。
まだヨーロッパに戻ってきた実感が湧かないまま眠った。

 
 
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2016-11-21 | Posted in Blog, モロッコ, スペインNo Comments » 
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