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ここは本当に地球なのか
7時起床。
昨日募集を開始したツアーの参加希望者は4名まで増えていた。
車1日チャーターが400元なので、1人100元(¥1,512くらい)。
安い! なんてありがたい。
そして驚くべきことに、なんと4人全員日本人だった。
そもそもこの宿に同時に4人も日本人が泊まるなんてびっくりだ。
残りのお二方は、1人が自分と同じく退職して世界一周中の男性で、もう1人が夏休みを利用して旅行中の男子学生さん。
みなさんものすごく旅慣れている雰囲気で超心強かった。
今日1日よろしくお願いします!
その前に朝ごはん。
確かこの宿は朝食付きじゃなかったと思ったけど、この日は何故かタダで食べさせてもらえた。
この地方の主食のナンと、中華粥。
ナンはほのかに甘くて、お粥はほぼ無味。
母に以前送ってもらった塩昆布を入れて食べたら美味しかった。
しっかり朝ごはんを食べたところで出発!
ドライバーさんはウイグル人。
ウイグル族の帽子がかわいい。
最初に向かったのは火焔山。
火焔山といえば何といっても西遊記!
孫悟空が芭蕉扇で炎を消したという、あの山だ。
ドラゴンボールで言うところの牛魔王とチチがいた場所だと思うとさらに親しみが湧く。
チャイナアミューズメント感たっぷりの入口から、入場料40元(¥605くらい)を払って中に入る。
そして階段を上った先が、
見渡す限り褐色の世界。
西遊記とかシルクロードとか以前に、「え、ここ本当に地球?」って思ってしまった。
写真だけ見せられて「火星だよ」って言われたら信じそうなくらい。
それくらい現実離れした景色だった。
ここではラクダや馬車にも乗れるし、
(ラクダって本当にこんなやる気なさげな顔してるんだな…)
なんとエンジン付きハングライダー的なもので山肌ギリギリを飛ぶこともできるらしい。
(金額忘れちゃったけどなかなかいいお値段でした)
ただ、火焔山を見るだけが目的なら、あえて入場料を払ってここに入らなくてもいいかなぁと思った。
というのは、何しろ山が大きすぎてどこからでも見えるし、この後の移動中も何度も近くから山を見る機会があったからだ。
飛行サービスはさすがにここだけだと思うけど。
続いて向かうのは高昌故城。
5世紀にこのトルファンの地に成立したオアシス都市国家「高昌国」の城址跡。
この城自体は紀元前1世紀に城壁が建ってから13世紀に至るまでの1300年以上もの歴史を持つという。
三蔵法師玄奘はここでも仏教の教えを説いていったのだとか。
入口は地下に設置されていた。
入場料70元(¥1,058くらい)。
高昌古城は周囲5km、面積200万平方kmという広大な遺跡なので、
こういう電動トロリー的な乗り物に乗って周ります。
入場料と別で35元(¥529くらい)。
所要時間1時間程度。
※もちろん歩いて周ることも可能
※レンタル自転車っぽいのもありました
ひたすら開けた大地に、土づくりの城址跡が、まるで時間に取り残されたように佇んでいる
全てが土色で、色もないし、音もない。
激しく照りつける太陽の下の、恐ろしく静かな世界。
生命の気配が全く感じられない。
かつてここに本当に人が住んでいたのだろうかと思ってしまう。
想像以上だった高昌故城。
入ってよかった。入場料高いけど!
ここで昼食休憩。
ドライバーさんがローカル食堂に連れてってくれた。
ウイグル族の定番料理「ラグメン」。
これめっっっっちゃ美味しかった!!
ラーメン的なものかと思ってたけど、これはむしろパスタですね。トマトソースの。
こういうコシがある麺を食べたのは出国以来はじめてだった。
野菜たっぷりで、ヤギ肉も旨味があって本当に美味しい。
スイカも出してくれた。大量に。
アジアはフルーツの価値観が日本と全然違うんだなーとつくづく思う。
タダ同然みたいなノリで食べられている。
昼食後最初に向かったのは吐峪溝。
ウイグル族の伝統の暮らしを守る麻扎村と、3〜5世紀にかけてつくられたと言われる千仏洞がある。
入場料30元(¥453くらい)。
ウイグル族最古といわれる麻扎村。
伝統的な土づくりの建物が並ぶ。
村の中は人気がなくて静かだったけど、確かに今も生活が営まれている空気が感じられた。
村にある案内板に従って、奥地の千仏洞を目指す。
残念ながら千仏自体はほぼ全て略奪されて残っていないらしい。
でも外側から洞の全体を見てみたい。
で、その後今度は下るんだけど、道を間違えて更に登ってしまった。
でも登ったら登ったで山肌の間近に行けて面白い。
この一本道に出くわしたときは感動してしばし佇んだ。
RPGの世界だ、完全に。
正しい道に戻る。
こんな感じで川沿いをひたすら歩いていく。
千仏洞は村からなかなか遠い。
途中には「え、まさかこれ外したら岩が崩れてくるんですか?」って箇所もある。
やっと着いた!
かなり大きいんです。
右下にポツンと写っているのが人。
階段が崩れてしまっていて残念ながら上には登れなかった。
恐ろしく乾燥していて今にも崩れそうな山肌。
人の手を入れて保存しないと、完全に崩れてしまうのはもしかしたら時間の問題なのかもしれない。
その後、ドライバーさんが山の上まで車で連れていってくれた。
そのまま火焔山を越えて、次はベゼクリク千仏洞へ。
ウイグル族が仏教を信仰していた頃につったとされる77の石窟群。
仏教が遥かインドの地からまさにシルクロードを渡ってきたことや、その後のイスラム支配による破壊の歴史を実感できる。
全然関係ないけどどうしても「ベルセルク千仏洞」って呼んでしまう。。自分だけ?
ちなみに入場料40元(¥603くらい)。
中国は入場料嵩むなー。。手持ちの元がどんどん無くなっていく。
洞の中は撮影禁止。
一つ一つつくられた時代が違っていて、実際中の構造や壁画の内容も少しずつ違っていて面白い。
同じ仏教でも、今まで見てきたアジア諸国の偶像とは雰囲気が全然違う。
描かれた人々の表情も、柔和な笑みから目を見開いたものまで多種多様だった。
ただ仏の顔はどの洞でもとことん削り取られてしまっていた。
かつては金箔で描かれていたらしく、洞の警備員さんが少しだけ金が残っている箇所を指差して教えてくれた。
ムスリムだけが削り取ったわけじゃないのかな。
ところで同行の男性陣が歴史にとても詳しくて驚いた。
「6世紀ってことは〇〇時代で〇〇が侵略してきて…」と、案内板の表示と時代背景を頭の中ですぐ結べる方達だった。
かっこいい…!
まるでガイドさんと一緒に周っている気分になった。
史学科出身なのに知識なさすぎる自分もどうかと思うけど^ ^;
そして実は、この男性陣のうちのお1人がとんでもないお方だったんだけど、このときはまだ知る由もない。
続いていよいよラストスポット、交河故城。
こちらは高昌王国の王都。
ただしこの遺跡自体は紀元前につくられ、現存する漢代からの都市遺跡としては中国唯一らしい。
入場料70元、移動バス15元。
高昌故城がどこまでも開けた平面なのに対し、交河故城は縦長の敷地に高低差を持ちながら遺跡が連なっていた。
また、高昌故城よりも建物がしっかり残っていて、街の構造がなんとなくイメージできる状態だった。
とはいえ、というかだからこそ、
やっぱり異世界感満載で、どこを切り取っても、まるで嘘みたいな写真になる。
途方もない砂漠のど真ん中に、今なお雄大に、でもどこか淋しそうに佇む遺跡。
こんな場所が、同じ地球上にあるんだなぁ。
不思議な気分になる。
土と同化しきっているトカゲがいた。
こんな干からびた大地でも生命は育まれるんだなぁ。
以上、トルファン1日ツアー終了!
最高だった!
同行の皆さんの空気感も好きだったなぁ。
基本的に自分で楽しみつつ、適度に一緒に語らいつつの距離感が心地よかった。
そして帰りの車内で衝撃の事実が判明した。
同行男性のうちのお一方が、なんと同じ世界一周ブロガーのpassoaさんだった!!
超ビックリした。
ときどきこのブログにもコメントをくださっている方で、まさかこんな不意に出会えてしまうなんて!
passoaさん、歴史だけじゃなく各国の旅事情にも超詳しくて、ものすごく頼れるお方だった。
中国語もちょっとご存知だったり(見習いたい、、、)1日だけだったけどご一緒できて勉強になったし、何よりお会いできてすごく嬉しかった。
ルートが被っているからまたどこかでお会いできたらいいなぁ!
そんなpassoaさんのブログはこちら
世界☆酒の細道
トリップ感満載で、嬉しい出会いもあって、最高の1日だった。
明日はもうカザフスタンへ移動。
でもその前に、トルファンの街の様子を少し書き残しておこうと思います。
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コメント2件
シモーネ | 2016.08.20 12:12
ええっマジですか!!
自分も今キルギスですよー!!
カザフにも戻るしウズベクにも行くし、やっぱりどこかでまたばったりお会いしそうな気がします^ ^
Passoa | 2016.08.20 3:10
最初見たときに、あれ?っとは思っていたんですよね。旅の足跡を見て確信しましたw
そんな私もようやく中国を抜けて、キルギス入りしました。
このあと、ウズベクとカザフにも行く予定です。