Blog, 中国
ユーラシアの広大さに目眩がする
5時半起床。
7時発の列車に乗るべく、ホテルをチェックアウトして蘭州駅に向かう。
昨日の反省を生かして、今日は「旅行で使える最低限の中国語」を自分なりに集めてiPadに保存しておいた。
そして何よりも心根を入れ替えた。
言葉が通じなくたってきっと何とかなる!
フィリピン留学当初だって英語できなくても通じ合えたやんか!
真剣に向き合えば言葉なしでも分かり合えるはず!
名づけて「第六感で察しよう作戦」(←え)
昨日も書いたけど、中国の(というか蘭州の)駅は自分の知る駅とは勝手がだいぶ違った。
・駅の外にある自動券売機はIDカードがなければ使えない
・駅の中にある有人の切符売り場に行くだけでも荷物と人体チェックが必要
・有人の切符売り場はいつも混み合っていて時間がかかる
・外国人が切符を買うにはパスポートが必要
・乗車の際は有人の切符売り場とは別の入り口から構内へ入る
・改札は15〜30分前にならないと通れない
・改札を通ってからホームまでが結構遠い
ざっとこんな感じか。
一回経験しちゃえばなんてことないんだけど、最初はほんと戸惑った。
まぁでも前日のうちに苦労して切符買っておいたのが功を奏し、無事自分の指定席に乗り込めた。
まず蘭州駅から蘭州西駅まで移動し、蘭州西駅で蘭新線第二複線に乗り換えるわけだが、蘭州ー蘭州西間を走る列車は既に蘭新線第二複線と同じ車両だった(と思う、多分)。
こんな感じでとても綺麗。
日本の新幹線と同じくらい快適だった。
コロコロは重くて上の荷台に持ち上げられず、一番端の席の後ろのスペースに置いた。
ハープは若干はみ出しつつも上の荷台に乗せられた。
が、すぐにスタッフの人が来て中国語で何やら注意された。
例の第六感を発動したところ、「これははみ出してるから後ろに置け」と聞こえたのでその通りにした。
まぁ第六感も何も、それくらいしか解釈のしようがなかっただけだけど。
蘭州ー蘭州西駅は1駅なのですぐ着いた。
乗り換えの際にも荷物チェックと人体チェックを受ける。
…が、ここも例によって長蛇の列、割り込みの嵐。
負けてたまるかと並んでいると、女の子が1人割り込んできて、中国語で何か言ってきた。
なんとなく
「ごめん、私の列車もうすぐ出発だから先に行かせて」
と言っている気がした。
なんだ、なんとなくわかるじゃん中国語!
使えるじゃん第六感作戦!
相手の意図がわかったことに気を良くして、快く先を譲った。
ちょうど自分がチェックを通過してすぐ後、並んでいる人たちが何やら喚き始めて、係員も喚き返した。
どうやら彼らもみんな列車の時刻が迫っていて、
「早く進ませてくれよ!ノロノロしてんじゃねーよ!」
「あんたたちがちゃんと並ばないからでしょうが!」
という攻防をしているらしかった。
フィリピンの船乗り場でもよく見たなーこの光景。
でも、そうか、慌てて割り込んでくるのには理由があったんだな。
自分はまだ出発までだいぶ余裕があったから、もっと後で並べばよかったな。
…いや待て待て、もっと時間に余裕を持って行動しようよ中国の皆さん。
蘭州西駅の構内はめちゃめちゃ大きくてピカピカだった。
駅というより空港みたいだ。
実際ここを起点に遥か1,700km先のウルムチまで一気に行けてしまうんだもんなぁ。
構内には昨日あれほど探したカフェや、ちょっとしたレストランがたくさんあった。
フリーwifiも使える。
そうそうこれだよ求めてたのは…!
適当なお店に入って朝食を食べた。
ラーメンと小籠包。
見た目すごく美味しそうなのにあまり美味しくなかった。
何故だ。
さぁ、いよいよ蘭新線第二複線に乗車する。
シルクロード横断の始まりだ。
ところでシルクロード(絹の道)と一言でいっても、厳密には「草原の道」「オアシスの道(3種類)」「海の道」の5種類があるそうですね。
蘭州に発し、天山山脈の北側を経てタシュケントやサマルカンドへ至る自分のルートは、「オアシスの道」で言うところの「天山北路」と近いかもしれない。
と言っても当時と違って自分は弾丸で突っ切るだけなんだけど、それでも「あのシルクロードに今まさに自分はいるのだ」と思うだけで、気分はもう果てしなく盛り上がる。
トルファン最寄りのトルファン北駅までは9時間38分。
1等席に乗ってみたかったけど売り切れだったので、2等席を購入しておいた。ctripの手数料込みで539.5元(¥8,163)。
2等席がどんなもんか不安だったけど、蘭新線第二複線は幸いリクライニング付きで、2等でも十分快適だった。
そして出発してからの9時間半は、それはもう素晴らしい、
本当に素晴らしい絶景の嵐だった。
「何を大げさな」と思われちゃうかもしれないけどさ、
まるでガラス一枚隔てて、ずっと映画を観せられているようだった
シルクロード以前に、ユーラシアの広大さに目眩がした。
自分はいま確かに、この大陸のど真ん中にいる。
結局9時間半ほとんど暇することなく、列車はトルファン北駅に到着した。
もう昨日溜め込んだイライラや落ち込みはすっかり吹き飛んでいた。
こんな素晴らしい車窓が観れるなんて!
ありがとう中国!
来れて本当に良かった!
ところで列車内のテレビで放映されていた「蘭新線第二複線ができるまで」的な映像も面白かった。
漢字字幕が出るからなんとなーく理解できる。
本当に途方もない大事業だったんだなぁ。
開通に心から敬意を表したい。
トルファンは砂漠の中のオアシスの街。
トルファン北駅の前はガランとした広い空間で人も疎らだった。
ここからトルファン市内の宿に向かうわけだが、その前にウルムチまでの列車のチケットを買っておくことにした。
切符購入のフローはもう完璧に頭に入っている。
しかしここでまた躓いてしまった。
切符売り場に入るための荷物チェックで十徳ナイフが引っかかってしまったのだ。
今まで一度も引っかからなかったのに!
何故ここにきて突然!
どうも今までは単にチェックが適当だったか見逃してくれてたらしい。
例によって英語が通じないので、係員さんが英語が話せる別の人を連れてきてくれた。
で、てっきり怒られて没収されるかと思いきや、ちゃんと返してくれて、「次列車に乗る時は持ち込めないからね」と優しく説明してくれた。
なんか、ちょっとわかってきたかもしれない。
中国の人、語気が荒いことが多いし、態度もつっけんどんに感じるけど、気本的にいつも助けようとしてくれる。
そもそも、中国語でもなんとかコミュニケーション取ろうとトライしてくれる時点で、自分よりずっと優しい。
自分だったら、言葉が通じないとわかった時点で、コミュニケーションを諦めてしまうと思う。
昨日勝手にイライラして切れてしまった自分がちょっと恥ずかしくなった。
いや、もちろん、自分が出会ったごく一部の人たちについての、ほんの少しの時間で感じた印象でしかないけど。
このとき、昨日から勝手に持っていた警戒心がやっと解けた気がした。
だがしかし十徳ナイフが持ち込めないのは非常に困る。
こいつに今まで何度助けられてきたことか…!バックパッカーの必需品だ。
ウルムチまでの別の移動方法も検討しようと思い、このときは切符は購入しないでおいた。
あと、後で知ったんだけど、どうやらそもそも翌日までの切符しか買えないらしい。
ほんと勝手が違う中国。
市内へはバスで移動できそうだったので、バス停に向かった。
が、人が全くいない。
掲示を見てもさっぱりわからない。
うん、タクシーで行こう。
初日の反省を生かして速攻で決断した。
タクシー乗り場にいた運転手さんたちも英語は全く通じなかったけど、iPadで宿の漢字名を見せたら「おい、あそこだよ!誰か行けないか」と声を掛け合ってくれて、乗せてくれて連れてってくれた。
Dapユースホステル
女性専用ドミトリー 1泊50元(¥756くらい)
wifi、ホットシャワー
スタッフさん英語ペラペラー!!
英語バンザイー!!
やっぱ国際語は英語だよね!!(←おい)
いや、このときはほんと泣きそうなくらい嬉しかった。
そしてこの宿には欧米人もたくさん泊まっていた。
おおお心の友よ…!(←)
そして驚くべきことに、この宿には日本人の方もいた!
うわああお久しぶりです日本人よ…!(←)
仕事の休暇を利用してシルクロードを旅されている男性。
トルファンの滞在期間が丸かぶりで、ちょうど明日のツアーメイトを募集なさっていたので、速攻で乗っからせてもらった。
中国旅が一気に楽しくなってきた!
明日はいよいよシルクロードのオアシス都市、トルファン観光。
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