Blog, 出発前_雑記
水が媒介する異世界
水が異界への入口を為すというのは、
広くユーラシア大陸全体に共通する民俗的概念なのだという。
一番わかりやすいのが「この世」と「あの世」。
トイレで自殺、
川原で決闘、
井戸から貞子、
お風呂から伽椰子。
ガンジス川の水葬も、通じる所があったりするのだろうか。
「子どもは橋の下に捨てる」とかは
パラレルワールドにつなげようとしている感じもある。
あるいは死生観自体が、「死ねば終わり」というよりも、
「別の世界へ行く」というイメージなのかもしれない。
「飛び降りる前に靴を脱ぐ」とかはまさに、
「別の世界に入る」という印象がある。
辻(十字路)とかトンネルとか、異界への入口とされるお決まりの場所は
水以外にもたくさんあって面白いんだけど、
私にとっては一番身近なのは「川」だった。
地元が川だらけで、子どもの頃から川原を歩くのが大好きだった。
橋を渡るとき、橋の向こう側はなんとなく違う世界に見えた。
渡り終わった後、自分はパラレルワールドに来てるのかもしれないと
本気で思ったりもした。
今も変わらず川が好きで、川沿いに住んでいるし、
時間を見つけてはいろんな川原を散歩している。
上京してからは湾岸沿いも好きになった。
東京は田舎と違って規模が大きくて、
橋も、川や湾の向こう側に見える建物も大きくて、
大自然と大建造物の対比がかっこよくて好きだ。
京葉線から東京湾とゲートブリッジを眺めていると、
なんでだろう、まるで蔦だらけの古代遺跡を見ているような、
懐かしいような切ないような不思議な感じがする。
世界にも、こんな魅力的な風景がたくさんあるんだろうなー。
ブログランキングに参加しています!
↓クリックをいただけると励みになります。
にほんブログ村
Comment