Blog, イギリス

思いもよらない言葉

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2016/10/15
アムステルダム→ロンドン

 
イギリスは、世界一周を決める前からずっと行ってみたい国だった。
ハンガリーから西に移動してきたヨーロッパ旅も、遂にここまで来たんだなぁと思うと感慨深い。

不安なのはたった一点、入国審査だ。
バックパッカーの間ではイギリスは入国審査が厳しいことで有名で、受け答えを誤ったばかりに入国拒否になったという話も珍しくない。
出国チケットは必須、滞在先住所や預金証明も準備しておくべしというのが先人たちの教えだ。
イギリスには何としても入りたかったので、出国チケットも用意した状態で、空路で向かうことにした。

 
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アムステルダム中央駅から電車に乗り、スキポール国際空港に到着。
ヨーロッパ有数のハブ空港。珍しい単一ターミナル。
「今年は誕生100周年だよ」と彼氏が教えてくれた。
さすが飛行機オタク物知り(´Д` )
未だに飛行機が飛ぶ理屈さえわからない自分は、100年も前から空港があったという事実に驚いてしまう。

 
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ブリティッシュエアウェイズのカウンターで搭乗手続きをして、ラウンジへ。
ハープは今回も持ち込みOKだった。
久しぶりのラウンジでのんびりご飯を食べた。
毎回これが楽しみすぎて、飛行機に乗るためというよりラウンジに入るために空港に来てる気がしてしまう。
そういえばラウンジはバンコクのスワンナプーム空港以来だし、そもそも飛行機に乗るのも久しぶりだった。

 
ギリギリまでラウンジで過ごしてから搭乗口に向かうと、係員さんに呼び止められて名前を聞かれた。
名前を言うと「あなたと探していました、こちらに来てください」と。

付いていくと、搭乗ゲートの前に、何故か預けたはずのコロコロバッグが置いてあった。
「中で何かの音が鳴っているので、止めてください」と。

はて、音…?

開けてみると、なんと小型拡声器の電源が入っていて、ハウリングして音が出ていた。
何かの衝撃で電源が入ってしまったらしかった。
すみませんすみませんと謝りながら慌てて電源を切った。

 
このことで何か怪しまれてしまったのか、パスポートの提示を求められ、荷物のことを聞かれた。
そしてハープを指差され、「このサイズの荷物は持ち込めません」と。

そんなーーー(´Д` )
せっかく搭乗手続き通過してきたのに!
このタイミングでは、もう1席チケットを買うこともできない。
泣く泣く係員さんにハープを渡した。
機内に持ち込めなかったのはフィリピン出国時以来だ。
拡声器のトラブルがなかったら持ち込めてたんじゃないかと思うと凹んだ。
でも係員さんは親切に対応してくれてありがたかった。
迷惑を掛けてしまってすみません。。

 
もはや入国審査よりもハープの無事が気がかりになってしまった。
胃をキリキリ痛めながら1時間のフライトを過ごして、ロンドンガトウィック空港に到着。

入国シートを記入してイミグレの列に並ぶ。
聞かれそうな質問には一通り答えを用意してあるし、出国チケットも滞在先住所も控え済。
怪しまれないようにかっちり目の服着てきたし、
大丈夫!
きっと通過できる!

と、かなり緊張して審査に臨むも、拍子抜けするほどあっさり通過できてしまった。
聞かれたのは「いつまでいますか」と「何の目的で来ましたか」の2つのみ。
出国チケットの提示さえ求めらなかった。
前情報は何だったんだ(´Д` )
係官さんによって違うのかなぁ。

なんにせよ、
15カ国目イギリス、 無事入国!
ハープも無事だった! 良かった。。
うう、やっぱり飛行機は可能な限り乗りたくない。。

 
不安が全部解消されて、一気にワクワクしてきた。
遂に来た!
憧れのイギリス! ロンドン!

ロンドンでは、あるご家族の家にホームステイさせていただく予定だった。
前職で仕事仲間だったKさんのお姉さんのご自宅。
Kさんに世界一周でロンドンに行くことを話したとき、「是非姉の家に泊まってください」と誘ってくれて、お言葉に甘えたのだ。

ガトウィック空港から電車で市内に向かい、お姉さんと待ち合わせをしている駅へ。
市内に入ってからは「オイスターカード」というチャージ式のチケットで地下鉄に乗ることができる。
日本のSuicaとほぼ同じ仕組みなので使いやすい。

待ち合わせのHammersmith駅に到着し、お姉さんと無事合流した。
ほっそりした黒髪美白の日本美女だった!
佇まいがかっこよくて思わず見とれてしまった(´Д` )
3日間お世話になります!

 
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お姉さんのご自宅は、テムズ川沿いのすごく雰囲気の良い場所だった。
ロンドンの街でこんな素敵な所に泊まれるなんて…!

 
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家には、これまた超美形の娘さんと、猫のシンバ(オス)。
部屋を自分のために一室空けてくださって、
洗濯機も貸してくださって、
wifiも使わせてくださって、

 
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その上毎朝毎晩、とっても美味しいご飯までいただいてしまった(´Д` )
この日は唐揚げと手巻き寿司。
もう美味しくて美味しくて(泣)
何もかもが贅沢すぎて、天国のようだった。
この家の子どもになりたい(←)

何より、家の中で人と一緒に食べるご飯の幸せが胸に沁みた。
フィリピン時代を思い出さずにはいられなかった。

 
お姉さんのMさんとは、毎晩いろんな話をした。
Mさんはアーティストとして活動する傍ら、アートセラピーを学び、研修や論文執筆にも励んでいるという物凄い人だった。
若くして単身で渡英し、ロンドンで結婚して、仕事と子育てを両立しながら暮らしてきた。
ロンドンのこと、英語のこと、アートセラピーのこと、心理学のこと、
自分にとってMさんが話す何もかもが新鮮で刺激的で、話を聞くのがすごく楽しかった。
自分のこともついたくさん聞いてもらってしまった。

一番印象に残っているのは、自分の将来についての不安を吐露してしまったときのことだ。
一緒に居たい人がいるけど、お金も仕事も目的もない今の自分がそのままの状態で側に行っても、きっと一緒にはいられないと思うといった意味のことを話した。
するとMさんはあっけらかんと、「先を決めてからじゃなくても、意外と行った先で見つかるもんだよ」と言ったのだった。

この言葉が、Mさんが過ごしてきたロンドンでの日々の話も相まって、なんだかすごく説得力があって、自分でも意外なほどストンと腑に落ちてしまった。
そうだよなぁ。そういえば「一緒に居たい人がいる」ということがもう、奇跡なんだった。
自分の中でずっと痞えていた何かが、すーっと消えていったような気がした。
以来、このときMさんからもらった言葉は、自分の迷いに対する指針の一つになっている。
ご縁というのは本当に不思議なものだと思う。
ふとした瞬間に掛けられた思いもよらない言葉が、人生に大きな影響をもたらすこともあるのだ。

 
こうしてとっても素敵なホームステイに恵まれて、憧れのロンドン旅が始まった。

 
 
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2016-10-24 | Posted in Blog, イギリスNo Comments » 
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