Blog, 帰国後_雑記

思わぬ所で思わぬ萌えを発見した話


遠距離彼氏の来日が終わって意気消沈気味のシモーネです。
次に会えるのいつなんやろー

さて、上京してから職業訓練校入校までの間、ちょこちょこと日雇いのアルバイトをしていました。
今日はそのご紹介です。


私がやっていたバイトは

・スーパーのマネキン
・倉庫作業

の2つ。

 
スーパーのマネキンとは、試食販売スタッフのお仕事。
スーパーでたまにみかける、試食をお客さんに促しながら商品をおすすめしている店員さんのことです。

会社員時代はToB業務オンリーで、もし会社を辞めたら、エンドユーザーと直接かかわれる接客バイトがやりたいとずっと思っていた。
(逆に学生時代は接客バイトオンリーだった)
で、スーパーのマネキンさんは比較的時給が良く、日雇いでの勤務が可能なので始めてみました。

これが想像以上に面白かった!
会社員時代、「いかに物が売れるようにするか」を考え続けていたにもかかわらず、実際に売る現場に当事者として立ってみると、思いもよらない発見がたくさんあった。

一番感じたことは、「人が物を買う」という行為は、想像以上に感覚的・本能的だということだ。
売り手としては、購買者のニーズをいかに喚起するか、そして購入という行動にいかに結び付けるかを理屈で考えまくるわけだが、実際はその想定フローに乗る購買者は一部に過ぎず、多くの人はもっと突発的な、予想だにしない動機で購入していた。

例えば極端な例だと、暇そうにしていたおじちゃんの話に5分くらいお付き合いしたら、「お姉ちゃん俺の話聞いてくれたから10個買うよ」っつって買ってくれたりとか。
(逆に偏屈なおじいちゃんに「あんたが売ってる限りはぜーったい買わん!」って言われたこともあったりしたw)

私は、人がお金を出して物を買うという行為の動機は、ある程度共通性があるものだと思っていた。
具体的には、他者が本人に促す行為としてはハードルが高いものだと考えていた。
例えば、「この本ちょっと読んでみてよ」と「この本買う気ない?」では、前者より後者の方が明らかにハードルが高い。

でもマネキンのバイトを経たことで、商品によって、状況によって、人によって、必ずしもそうとは限らないのだと気づいた。
人が購入する動機は、自分が想像していた以上に多様だった。
購買者にメリットがある合理的なものだけでなく、他者から見たらデメリットしかないような、不合理なものもたくさんあった。

海外周遊中にバスキングしたときのことも思い出した。
無料で聴ける音楽にお金を払うというのも、よく考えたら非合理的な行為だ。
しかも海外では、決して上手とは言えない演奏でもお金が入る。
自分自身も、決して上手とは言えない演奏者に対してもお金を入れたくなった。
あのときの行為の動機は、演奏に対する対価というよりも、「この人のチャレンジを応援したい」という、なんちゃって足長おじさん的な気持ちだった気がする。
演奏に惹かれる以前に、その人本人に惹かれたのだ。
思えばクラウドファウンディングの投資者とかも、自分がリターンを得たいというよりは、「こいつの夢買ったろうやないかい」的なノリがある気がするなぁ。
会社で働いていた頃は、そんな動機の存在に気づくことができなかった。

 
マネキンバイトの感想が長くなってしまったけど、続いて倉庫作業のバイトについて。
これは倉庫内の商品管理や配送準備などのお仕事。
自分の好きな接客仕事ではないけど、いろんなバイトをしてみたかったのと、これも比較的時給が良く日雇いが可能なのでやってみた。

この仕事は単純作業、ルーチン作業であるからこそ、効率化が徹底されている。
会社員時代はずっと裁量労働制だった自分は、時間になると「休憩でーす!」と号令が出て、たとえ作業の途中でも休憩に行かされる現場に軽くカルチャーショックを受けた。

また、単純作業と言っても覚えることや機転が必要なシーンもたくさんあり、正直自分が想像していたよりも頭を使う仕事だった。
商品の段ボールを倉庫内に配置していく作業のときは、昔ゲームボーイではまった「倉庫番」を思い出した。
まさにあのゲームのあの感じですよ。
あれ、今思うとよくできたゲームだったなぁ。

で、この倉庫作業バイトで得た一番の気づきが、フォークリフト萌え。
具体的には、フォークリフトを操る人がめちゃめちゃかっこいい。
ピッキング作業のときに、

商品の箱が全部捌ける

フォークリフト担当さんに「下ろしてくださーい」とお願いする

フォークリフトで下ろしてくれる

という流れが大好きで、ちらちら見てはキュンキュンしていた(←不審者)
フォークリフトを運転する様子がこんなにかっこいいなんて知らなかった!
男性も女性もかっこいいです。
フォークリフト乗るだけで5割増し。間違いない。
ちょっと資格取りたいなと思っちゃったもんね。

 
とまぁこんな下らないこと思いながらバイトを楽しんでいたわけですが、もちろん大変なこともたくさんあった。
そもそも自分は要領も物覚えも悪い方で、大学時代もアルバイト先ではこっぴどく叱られ続け、ひたすら忍耐と根性でカバーし、人の何倍もの時間をかけてなんとか最終的に一人前になる、という感じだった。
11年の社会人経験を経てあの頃よりは成長したものの、生来の要領の悪さは健在で、今回のバイトでも先輩たちに迷惑かけてしまったり、怒られたりすることもしばしば。
ずっとデスクワークだった報いか、立ち仕事に慣れるまでも時間がかかったし(慣れるまでは足めっちゃ痛かった)、マネキンの仕事では変なお客さんにつかまってしまうという不可抗力的な苦労もあった。

それでも、未知の仕事は新発見の連続でわくわくしたし、働くこと自体が久々で楽しかった。
何より、自分の労働が金銭の対価になって、「誰かの役に立っている」と実感できることが嬉しかった。
どんなに容量が悪くても、一生懸命頑張っているその心意気は伝わるようで、「あなたのような人に来てもらえて助かるよ」とか「また来てほしい」とか言っていただけることもあった。
その度に大変だった思いも吹き飛んで、「ああ、働くっていいなぁ」としみじみ思った。

で、30代半ばにして、こうして改めて働くことのありがたさに気付けた自分が、まだまだだなぁと思いつつ、幸せだなぁと思うのでした。
特にフォークリフト萌えの発見は予想外の収穫だったね!






2017-02-28 | Posted in Blog, 帰国後_雑記No Comments » 
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