Blog, 出発前_雑記
隣人が知人になる
映画「もののけ姫」が、当時最先端の日本史研究を
かなり踏まえてつくられているというのは、有名な話らしい。
公開当時、自分はまだ中学生だったけど、
その世界観に、なんとも言えない違和感を持ったのを覚えている。
農耕社会だけじゃない、山の民、海の民、芸能民たちの生活。
男性よりも女性が権力を持つコミュニティの在り方。
疫病患者など、歴史の表舞台には出てこない被差別者たちの生き方。
映画の中で描かれていたのは、自分がなんとなく持っていた
中世日本のイメージとは、少し違う世界だった。
東北の一地方であるタタラ場と森が舞台だけど、
北海道から列島を下りてきたアシタカや、
大陸から海を渡ってきたと思われるジコ坊など、
いわゆる外来者たちが深く関係してくるところも面白い。
歴史上のさまざまな争いごとも、
敵・味方どちらでもない立場から捉え直すと、
まったく違うかたちに見えてくることがある。
かつては、海の向こう側から人が来たり、
自分が海の向こう側へ渡ったりすることは、
もしかしたら移動技術が発達した今よりも、
ずっと普遍的なことだったのかもしれない。
国境が陸続きで自国と他国がつながってたり、
外国と紙幣が共通だったりするのって、どんな感覚なんだろう。
物乞いに腕を掴まれたとき、対応に戸惑う自分に嫌気がさすのはなんでだろう。
自分や家族がもし兵役に行かなきゃいけないなら、
生き方はどんな風に変わるだろう。
以前、「UFOに乗って」のダイスケさんが、
ブログにこんなことを書かれていた。
なんか結構皆距離置きすぎじゃないですかね?海外の人に
もっと近くていいと思う
ぼったくられたりしたら本気で怒っていいと思うし、
物乞いが近寄ってきたら同情していいと思う
ちょっと、目から鱗でした。
自分も、旅を経て、そんな風に思えたら嬉しい。
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