Blog, 出発前_雑記

師匠

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この世に無駄な歯車なんかないし、
その使い道を決められるのは歯車自身だけだ。

(容疑者Xの献身)


「自分もきっと無駄な歯車じゃない」と思いたいから、
ターニングポイントごっことかやっちゃうんだと思う。
誰かのキーパーソンになりたいという欲望がある。
足長おじさんになりたい気持ちも、種類としては近いかもしれない。

 
私の人生におけるキーパーソンの一人に師匠がいる。
高校生の私にmandolon celloの弾き方を教えてくれた人である。

mandolon celloはmandolin以上にマイナーな楽器で、
熊本の山奥の弱小マンドリン部には、
奏法のメソッドも、それを習得する環境もなかった。
師匠が教えに来てくれるまでは、
ひたすら我流で、好き勝手に弾いていた。

師匠は理屈を重んじる人だった。
姿勢、ピックの持ち方、弦の巻き方、
必要なこと全て、型だけじゃなくて
「何故そうするべきなのか」から教えてくれた。
指をどう動かせば力が弦に効率よく伝わるのか。
楽器をどう構えればサウンドホールがよく響くのか。
どんな運指にすればフレーズがよりスムーズになるのか。
後先考えずノリだけで弾き散らかしてしまう私に、
大切なことを一つひとつ、根気強く教えてくれた。

師匠の教えを一つずつ理解する度に、
聴こえる音の世界が広がっていく気がした。
曲から浮かぶイメージが鮮やかになっていった。

あのとき師匠に教わっていなかったら、
きっと今も好き勝手に弾いていただろう。
あるいは、とっくに弾くことをやめてしまっていたかもしれない。
そしたら今の楽団の仲間とも出会えていなかった。

 
師匠、今何してるのかな。
会いたいな。
ちなみに楽器に対しては真面目なんだけど、キャラクターは基本変な人だったw
今ならきっと、当時よりもっと近い距離で話せそうな気がするな。
そう思うと、年齢を重ねるのも悪くない。

 
 
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2015-11-26 | Posted in Blog, 出発前_雑記No Comments » 
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