Blog, 出発前_雑記
[出発まであと6日]血をともなった戦友との別れ
出発まであと6日!
約15年、自分とずっと一緒にいてくれた相棒と別れてきた。
高校でマンドリン部に入り、以来ずっとマンドロンチェロという楽器を弾き続けてきた。
地元では「お前は上手い」「10年に1人」などとおだてられ、とことん調子に乗った。
(そもそも演奏者人口自体が非常に少ないのだが)
大学進学での上京を機に、学生分際にもかかわらず、東京の社会人楽団に殴り込んだ。(←言い方)
マンドリン音楽をもっと深めかったし、今の自分の演奏技術がどれくらい通用するのか知りたい気持ちもあった。
ただ、自分の楽器を持っていなかったから、バイトでお金を貯めて購入した。
殴り込んだ結果としては、これでもかというほど井の中の蛙を思い知らされた。
音楽性云々以前に、自分の演奏技術が圧倒的に足りなかった。
何よりもまず、音が汚い。
宝石のような音の粒の中で、自分の音だけゴミ屑のように感じた。
自分が音を出すだけで音楽をぶちこわしにしてしまう気がして、最初の1年はフォルテを出すのさえ躊躇われた。
自分の長所は、ここでめげずにとりあえず続ける根性がある所だと思う。
というか根性とか以前に、単純に楽団で過ごす時間が楽しかった。
自分は全然弾けなかったしゴミ屑のような音しか出せなかったけど、珠玉の音に囲まれる時間はそれだけで幸せに感じた。
選曲も好きだったし、メンバーの人柄も大好きだった。
いつの間にか楽団が大切な居場所になって、いつか自分も何らかのかたちで楽団の役に立ちたいと思うようになった。
そこから今に至るまでの展開は、自分でも意外だった。
フォームやピックを変えたり、いろいろ工夫しながら地道に練習し続けていたら、少しずつ自分の納得いく音色が出せるようになってきた。
運指もくじけずに取り組み続けたら、指が少しずつ思い通りに動くようになってきた。
大学での活動を最優先にしつつ、並行して楽団の練習にもできる限り参加し続けた。
就職してからも、休日はほとんどの時間を演奏活動に費やした。
いつの間にか音の引け目がなくなって、フォルテッシモでガンガン弾くようになっていた。
やがてアンサンブル活動に誘われたり、ソロパートを弾かせてもらえるようになった。
そしてコンクールに出るようになって、パートトップを任せてもらえて、とうとうコンチェルトまでやらせてもらった。
未だに「夢だったんじゃないか」と思うときがある。
だってスタートがゴミ屑だったんだもん。
音が出せなくて惨めだったあの日の自分を、今も昨日のことのように思い出せる。
でも相棒を手にするたびに、今まで重ねてきた時間は「夢じゃなかった」と実感できた。
少しずつ変わっていく音色も、プレッシャーに押し潰されそうだったソロも、劣等感に苛まれたコンクールも、こいつが一緒だったからやり遂げられた。
私のメンタルがダメダメなときでも、こいつはいつも元気で、弾いてるこっちがビックリするくらい良い音を出して私を引っ張ってくれた。
つい練習から逃げてしまったり、仕事が忙しくてなかなか弾けないときでも、何も言わずに待っていてくれた。
いつどんなときも、弾かれることを喜んでくれて、私の意志とシンクロしてくれた。
あ、楽器と意思疎通できる特殊能力はないので、全部自分の思い込みなんですけどね。
世界一周中は、楽団の信頼できる後輩に預かってもらうことにした。
今日がその受け渡しでした。
預かってくれて本当にありがとう!
気が向いたら、ときどき弾いてあげてください。
相棒、いい子にしてるんだぞ。
過去にもしばらく弾かなかったことはあるけど、物理的に手元から離れるのも、自分以外の誰かに弾いてもらうのもはじめてだ。
私のことなんか忘れてしまうんじゃないかとか思ってしまう。
実家を出るときのペットとの別れとちょっと似ている。
どうか元気で、変わらず歌っていてください。
戻ってきたときに愛想尽かされないように、私も頑張らないとなー。
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コメント2件
シモーネ | 2016.03.25 0:36
>きよし
you tubeで公開してるやつ、よかったらどうぞw
https://www.youtube.com/watch?v=SNoWCO2NVVs
結婚式いよいよか!
天王洲アイル、めっちゃ雰囲気いいからね!
東京楽しんでね^^
きよし | 2016.03.24 21:16
なんだろう、、私がしんみりしちゃうし1度でも楽団での演奏聴きたかったなぁ~って思った!
私はTOKYOまであと2日…ww