Blog, 出発前_雑記

トラベルブルーってやつ

マリッジブルーの旅行版とでも言えばいいのかな。
長期旅行を決意して準備を進める一方で、
出発時期が近づくにつれ憂鬱になる現象。

 
いまさらながら、
30過ぎで住所不定無職ってマジかとか、
旅行で貯金使い果たすってマジかとか、
日本以外の国で本当に生きていけるのかとか、
そういう不安も無くはないけど、
それら自体はそんなに憂鬱ではない。
（楽観的で危機意識が低いとも言う）

何よりも不安なのは、
１人に戻ってしまうことだ。

 
ちょっと前まであんなにワクワクしてたのに、
今は毎日、怖くて仕方ない。
学校や楽団や会社で築いてきた人間関係を、
失ってしまうかもしれないことが。
もうこれから先、彼らのような人たちとは
二度と出会えないかもしれないことが。

 
家族は元々離ればなれだし、
彼氏もいないし友達も少ないし、
自分が1年くらい日本を離れても誰も困らないし、
というか自分が明日死んでも誰も困らないし、
（悲しんではくれる人はいると思うが）
失うものはほぼ皆無だと思っていた。

 
でも、そういうことじゃないんだよね。
そういうことじゃないんだよ。

 
終わりが見えてやっとわかる。
自分がどれだけ人に恵まれていたか。
今いる場所や、周りの存在が、
自分にとってどれだけ大切だったか。

空っぽで、ふらふらしてて、
何も持っていないと思っていたのに、
本当はすごくたくさん、失いたくないものを持ってた。
当たり前のように享受していたから気づけなかった。
ずっと人に甘えて、１人で拗ねてただけだった。

 
もうね、カルテットの練習の度に、
泣きそうになるんだよ。
毎回楽しくて、名残惜しくて、
「あと何回」って、残りの練習数えちゃうの。

一方で、感覚はどんどん研ぎ澄まされていって、
今までは聴こえなかった音が聴こえるようになったり、
思いつかなかった表現が思いつくようになったりして、
もっと良い音が出せる、
もっと楽しくできるって確信できちゃって、
それが本当につらい。

会社も、まだあと3カ月もあるって思う一方で、
お世話になった先輩や、
先がまだ心配な後輩なんかの顔を見るだけで
泣きそうになっちゃうんだよ。
もっとあれもできた、これもできたって、
今さら思えちゃうんだよ。
何の恩返しもできてないのに、
何退職してんだよお前って思っちゃうの。
自分でも引くくらいセンチメンタルで気持ち悪い。

 
なんで今なんだよって思ってしまうけど、
自分で終わりを決めたからこそ、やっと気づけたんだとも思う。
一日一日を慈しんで生きることが、
どうしてこんなにも難しいのかと、つくづく思うけど、
それができなかったからこそ、今のこの感情がある。
途中経過があってこその結果なんだろうと思う。切ないけど。

 
吐きそうなくらい憂鬱な一方で、
やっぱりワクワクするんです。
見たことのない世界、
ずっと見てみたかった世界に触れたら、
自分にどんな変化が起きるのか、
あるいは何も起きないのか。
どんな新しい出会いがあって、
それによって何を感じるようになるのか。
想像するだけで、ワクワクして仕方がない。

ハープも、今はまだド下手だけど、
これからきっとどんどん上手くなる、
どんどん楽しくなるってわかるから、
もっともっと弾きたくて仕方がない。

 
失いたくないものがはっきりしたから、
新しい目標もできた。
居場所が変わっても今の交友関係を維持すること。
旅行が終わったら楽団に復帰すること。

 
せっかくだから、
このなんとも気持ち悪い感情も、
世界一周準備の一環として、
持て余すくらいならいっそ楽しめるといいなと思う。
毎日泣き出しそうなこの切ない気持ちは、
きっと今しか味わえないから、
しみじみ噛み締めて過ごしていこう。

 
でもそもそも、出発までまだあと5カ月もあるんだよなー
トラベルブルーさすがに早すぎないか。
先が思いやられる。

 
 
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