Blog, 出発前_雑記

10年スパイラル

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働きたいんです。心の底から。
もうすぐ会社、辞めるんですけどね。

会社で働く毎日は、
大なり小なり「ミッション」の連続と言える。
果たすべき目的があって、
達成するための手段を考えて、
実行する。

ミッションを繰り返す中で、過程も結果も質が上がっていく。
経験と比例して、関わる人や動くお金の規模も大きくなっていく。

 
例えば、
絶妙な方法論を導き出せたとき、
物音が聞こえなくなるくらい作業に集中できたとき、
タスクをこれ以上ないくらい効率的にこなせたとき、
脳内にドーパミンがぶわーっと出る瞬間がある。
この快感は何物にも代え難かったりする。

 
ここに「他者との協働」が加わって、
快感がさらに数倍にも数十倍にもなることがある。

私の経験の範囲では、思いもよらないブレイクスルーは
メンバーとのディスカッションの最中で起きることが多かった。
そんなときは、大げさじゃなく、
奇跡に立ち会ったような心地になった。
メンバーとミッションコンプリートを分かち合えたときは、
全身に鳥肌が立って、涙が溢れたこともあった。

 
こういう快感自体は、
多分「仕事」じゃなくても味わえると思う。
趣味の世界でもいいし、旅も然りだし、
そもそも日常生活自体が、ミッションの連続と言える。

ただ、そこに自分自身で目的を見出すのが、
ちょっと難しかったりするんだと思う。

会社という場所であれば、
ほとんどの場合は、ミッションが既にあるから、
目的も達成指標もわかりやすい。
「他者との協働」の機会も多いし、
どんな結果であれ、目に見える評価も下る。

 
なのに、いつからだろう。

組織としてのミッションは見えているのに、
それを自分自身のミッションに転換できなくなった。
何が目的で何が達成なのかわからなくなった。
ドーパミンが出せなくなった。
全身に鳥肌が立たなくなった。

 
私自身は、
こんなに心の底から、
切ないほどに、
「働きたい」と思っているのに。

 
このギャップが、多分一番つらかった。

 
これにはきっと、いろんな要因があるんだろうと思う。
他の世界に強い関心を持ってしまった。
ガムシャラに突っ走りすぎて客観性を失なった。
ミッションを繰り返しすぎて感覚が麻痺した。
毎日のループから単純に逃げ出したくなった。
etc.

 
でも、10年以上続けた今の自分だからこそ、
必ずしも今の会社や仕事じゃなくても、
ドーパミンは出せる気がするのだ。
そう気づいてしまったら、もう飛び出さずにはいれなかった。

 
たまに、サラリーマンのことを
「意志を失なった社畜」
と揶揄する方もいて、
そういう考え方もあるだろうし、
そう思わなきゃ耐えられない辛さもあるだろうし、
それが原動力になることもあるだろうから否定はしないんだけど、
それでも私自身は、そういう風には思わない。

毎日ミッションに挑み続けている、
その事実だけでかっこいい。
それが自分の意志でなく、組織から与えられたものだとしても。
「何を成し遂げるか」と同じくらい、
「どう成し遂げるか」が大事だと思うからだ。

それに、これは仕事にかかわらずだけど、
一つの物事を、愚直なまでに地道に続けた先にしか、
見えない世界があることも知っている。
その世界が、どんなに素晴らしいものかも。
そしてそれがどんなに困難で、どんなに偉大なことかも。

 
とはいえ、毎日の繰り返しの中で、
どうしても感覚は麻痺してくるし、
いろいろ目移りもするしで、難しいですね。
外的要因もたくさんあるしね。

一つの場所で頑張るスパイラルの最小単位は、
自分の場合は、10年くらいがちょうどいいのかもなーと
なんとなく思う。

あるいは、複数の場所で複数の物事を
並行してバランスよく取り組める器用さがあれば、
またちょっと変わってくるかもしれない。
自分の場合、一つの場所に依存しすぎる傾向がある気がする。

 
そもそも、たった一度の人生で、
あれもこれも味わおうとするのが、
欲張り過ぎるのかもしれない。
いっそ「これしかない」って芯が見つかれば楽なのになー。
うーん、でもそれはそれで、逃げ場が無くて辛いのかもしれないな。

 
 
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2015-12-17 | Posted in Blog, 出発前_雑記No Comments » 
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