Blog, キルギス
アメージングホスピタリティ
マルシュルートカがカラコルに着いたのが既に18時近くだったので、早速青年の叔母さんの家にお邪魔して夕食をいただくことになった。
イケメンが止まらないキルギス青年は名前をアンティマクといった。
ビシュケクの大学でファッションデザインを専攻しているらしい。
(専攻までイケメンだ)
とても話好きで明るく、ホスピタリティ精神に溢れている。
日本の文化にも詳しい。
留学経験があるわけではなく、英語は学校教育と独学で学んだそうだ。
独学でも「Hey man!」とか言えるようになるんだな。。(遠い目)
それにしてもキルギス人の名前は自分にとってとても発音しづらいし覚えづらい。
名前を聞き返すとアンティマクは「気にしないでいいよ、僕はすぐ世界的に有名なデザイナーになって、その頃には嫌でも名前を覚えるだろうから」と言って笑った。
面白い子だ。
ちなみに彼の名前は自分だけでなくフランス人カップルにとっても難しいようで、何度も「ねぇ彼の名前なんだっけ」と訊かれた。
そんなフランス人カップルの名前は男性がギョームで女性がクレア。
2人とも薬剤師さんだという。
山が大好きで、休みの度に2人で各地にトレッキングに出かけるらしい。
2人ともとても穏やかな雰囲気で、アンティマク青年のマシンガントークをいつもニコニコと笑顔で聞いていた。
案内されたアンティマクの叔母さんの家は、とっても可愛らしくて素敵なお宅だった。
叔母さんは英語は全く喋れなかったけど、言葉を交わすまでもなく、心からもてなしてくれていることが伝わってきた。
ラグマンの手打ち麺。こうやって家庭ごとに麺から手作りしているというから凄い
で、こちらが夕食にいただいたラグマン。
とても美味しかった!
トルファン、ビシュケクに次いで3度目。もうすっかりお馴染みの料理だ。
ラグマン以外にも、サラダやパンやお菓子、チャイをたくさん振舞ってくださった。
アンティマク青年は「もっと食べる?」とか「お茶のお代わりは?」とか常に気配ってくれて、いつもこっちの意向を先読みしてスマートにもてなしてくれた。
例えば一瞬スープを飲みたい仕草をしただけで何も言わずにさっとスプーンを出してくれたり。
アメージングホスピタリティ。
見ず知らずの外人に何故こんなことができるんだろう?
自分が逆の立場だったら出来る気がしない。
夕食の後、お宅に荷物を置かせてもらって、少しだけ周辺を観光することになった。
キルギス第4の都市であるカラコルは標高1700メートルに位置する高原都市。
旧ソ連統治下においては国境警備都市でもあったという。
現在はキルギスが誇る美しい山々へのトレッキングルートの拠点として有名で、欧米人のバックパッカーにも人気が高い。
アンティマクはまずカラコルのメインバザールに連れてきてくれた。
時間が遅くてこのときはもうほとんどのお店が閉まっていたけど、一軒だけ屋台が空いていたので、ここでカラコルの伝統料理をいただいた。
「アシュラムフー」という料理。
ラグマンと同じ麺料理だけど、こちらは冷麺。
少しだけスパイシーなスープの中に、ラグマンの麺と、さらに白いデンプンの塊が乗っている。
ラグマンとはまた違った感覚で美味しかった。
続いてロシア正教教会へやってきた。
カラコルに移住してきたロシア人たちが元々は煉瓦造りで建築したが、地震で倒壊してしまい、今残っているのは19世紀末に木造建築として再建されたものだそうだ。
あの有名なラジの教会と同様、釘を一本も使っていないらしい。
門の中が撮影禁止で外からしか撮れなかったけど、とても美しい教会だった。
ロシア正教の教会に来たのは多分人生で初めてだったと思う。
あまりに綺麗で、見ていてうっとりしてしまうような建築だった。
この日は教会の中には入れず、門も閉まっていたのでインターホンを押して開けてもらった。
キルギス人だけどクリスチャンのアンティマクは「日曜なのに教会が閉まってるってどういうことだよ」と憤慨していた^ ^;
教会を出るとだいぶ暗くなってしまったので、カフェでお茶してから帰ることにした。
で、カフェに入る頃には何故かメンバーが1人増えていた。
オランダ人のマタイ。
教会を1人で見ていたのでアンティマクが声を掛けて誘った。
この人もとてもフレンドリーで紳士的なナイスガイだった。
思いがけず国際的な集まりに混じってしまったけど、みんな優しくて、自分の拙い英語でも丁寧に聞いて会話してくれた。
こういう機会を得られたのも最初に誘ってくれたアンティマク青年のおかげだ。
ちなみにアンティマクがこの場の誰よりも英語上手だった。
ほんとすごいなこの子は。
叔母さんのお宅に戻ると部屋に布団が敷いてあった。
なんかこういうの久しぶりだなぁ。
そういえば宿以外の「誰かの家」に泊まらせていただくのは、旅行に出て以来初めてだった。
日本で友達の家の泊まったときのこととかを懐かしく思い出しながら眠った。
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