Blog, キルギス
古代湖の畔に佇んだらハープを弾くしかない
キルギスに存在する伝説の湖「イシククル湖」をご存じだろうか。
琵琶湖の9倍の面積、世界2位の水深を誇るこの巨大な湖は、世界で20箇所程しか発見されていない古代湖(10万年以上前から存在している湖)の一つでもある。
この湖に纏わるミステリーの数々がすごい。
1
塩分濃度が低く高地にもかかわらず、冬になっても湖面が凍らない(不凍湖)。
一体何故凍らないのか?
2
湖には118もの河川が流れ込んでいるのに、外に流れ出ている河川は1本もない。
溢れるはずの水は一体どこへ?
3
湖底に多数の遺跡・住居跡が沈んでいることが確認されている。
その中にはあの遊牧国家「烏孫」の城もあると言う。
かつてはどこまでが湖だったのか?
また、16世紀頃までは内部に島があったという文献が存在するも、現在はその島は面影すらない。
島は一体どこに消えてしまったのか?
4
イシククル湖には謎の龍伝説も存在する。
その名もキルギスドン。
あの玄奘三蔵もイシククル湖に立ち寄った際、大唐西域記に「この湖には龍がいる」と書き残しているらしい。
10万年以上も前から存在する古代湖なら、独自の生態系が発達していても不思議ではない?
おいおいなんだこのロマン溢れる湖は…!
特にキルギスドン、ネーミングのB級感も含めて満点!
この文明と科学の時代に、こんな謎めいた湖が残されているとは。
そもそも旧ソ連時代は外国人の立ち入りすら禁止されていたこの湖。
研究者が調査を開始できたのもここ25年くらいという話だから、まだまだ謎が多いのも頷ける。
まさにミステリーの宝庫、中央アジア!
こんなワクワクが止まらないイシククル湖に行かない手はない。
現在はイシククル湖はリゾート地として人気が高く、バックパッカー始め観光客で賑わっている。
その中でも、ボコンバエバ近くのトン村で、なんとキルギスの伝統住居ユルタに宿泊できる施設があるというではないか。
(「世界一周 絶景めぐり」さん、準備時代からものすごく参考にさせていただいています! ありがとうございます!)
キルギス入りを決めてからというもの、このユルタ泊をずっと楽しみにしていた。
ユルタの宿泊は前日のうちにカラコルのCBTで予約しておいた。
先人ブログで詳しい行き方も予め読んでいたので、スムーズに移動することができた。
まずカラコルのバスターミナルからボコンバエバ行きのマルシュに乗り、トン村で降ろしてもらう(120ソム)。
そこにある村唯一の商店でタクシーを呼んでもらい、ユルタキャンプへ連れて行ってもらう(150ソム)。
どうでもいい話だが、マルシュに乗っている途中で耐え難い尿意に襲われ、この旅行ではじめて「もうダメかもしれない」という域まで達した。
元々自分はトイレが異常に遠く、長距離移動の際は1日2回程度で済んでしまうので、バスの休憩などでもトイレに行くことは滅多にない。
(旅行には便利な体質だけど健康的にどうなのか不安)
なのに何故かこのときだけは、出発前に一度トイレに行っていたにもかかわらず、膀胱が破裂寸前だった。
前日バカ食いしたオイルサーディンに利尿作用でもあったのかと思って調べたけど、特に見当たらず、原因は未だに謎。
マルシュを降りてすぐ、目の前にあった民家にトイレを借りて、なんとか粗相を防げた。
この体験がトラウマになり、今ではバスの休憩時間は必ず降りてトイレに行くようになった。
もう一つどうでもいい話だが、ユルタキャンプへ向かうタクシーが途中で動かなくなってしまい、結局残りの距離は歩いて向かった。
中央アジアに入って車の故障に出くわすのは2回目。やはりよくあることなんだろうか。
ただし料金は150ソムきっちり取られ、つい「ちょっとまけてくれても…」と思ってしまった。
思考がどんどんケチになっている。
そうこうして辿り着いたユルタキャンプがこちら。
すごい、本当にイシククル湖のすぐ畔にユルタがある!
長閑にもほどがあるというくらい長閑だ。
時が完全に止まっている。
フィリピンのシキホール島の雰囲気を少し思い出した。
こちらが自分にあてがわれたユルタ。
なんということでしょう。
目の前が一面イシククル湖です。
ユルタの中に寝っ転がるだけで、扉の外のイシククル湖を眺めることができる。
かつて遊牧民族たちも、こんな風に湖を眺めながら過ごしていたんだろうか。
1人でタイムスリップ気分に浸ってニヤニヤした。
ユルタに荷物を置いて、謎に満ちたイシククル湖を思う存分堪能しに行く。
さぁ! これが幻の湖、
海じゃないので波がない。
青が恐ろしく澄んでいる。
ちょっと怖くなってしまうほど透き通っている。
引き込まれそうになる不思議な青だ。
深部は水深668メートルにもなるという深い湖。
この底には、一体どんな世界が広がっているんだろう。
時間を忘れてひたすら見入る。
夕暮れの色合いがまた絶景。
訳もなく涙が出そうになる。
誰もいない古代湖の畔。
これ以上ないロケーション。
ここでハープを弾かなければ一体いつ弾くというのだ。
ということでイシククル湖の空気感とともにお届け。
もしよろしければどうぞ!
かつてシルクロードを旅した吟遊詩人たちも、きっとこんな風に音楽を奏でて感傷に浸ったに違いないのだ。
わかんないけど。
いや、違いないのだ!
夕日を見送って晩御飯を待っていると、なんと自分以外にもう1人、日本人旅行者がやってきた。
自分はかなり出会い運に恵まれていると思う。
ナオちゃんまいちゃんに引き続き、三たび目の女性1人旅行者との出会い!
しかもブロガー!
名前はクミさん。
なんとノマドワークでの海外放浪3年目。
一月5万以内の生活費を目処に海外を旅して周り、日本に向けて情報発信している。
とっても穏やかな雰囲気で話しているだけで癒される。
それでいてものすごく知識豊富で、役立ち系からネタ系まで面白い話をたくさん聞かせてくれた。
フィリピンで働かれていた経験もお持ちで、嬉しくなってついフィリピンの話をたくさんしてしまった。
そんなクミさんのブログがこちら。
Kumi−log
面白いだけじゃなく、情報盛りだくさんでめちゃめちゃ参考になるブログ!
是非ご一読あれ。
夕食には、ジャガイモと肉と、ワンタンのような包みものを混ぜたキルギス料理をいただいた。
これめっちゃ美味しかったなぁ。
ちなみに宿泊が朝食込みで700ソム、夕食はオプションで350ソムだった。
夕食を終えてユルタに戻る頃には、夜空は満天の星だった。
天の川がはっきり見えるほどの星空。
寒さを忘れていっとき見入った。
デジカメで撮ってみたものの撃沈だった。
精一杯脳裏に焼き付けた。
クミさんとは相室になった。
ライターを借りてユルタのキャンドルに火をつけると雰囲気抜群。
1人じゃなくてよかった。。
布団に入ってからも、クミさんと旅行の話やフィリピンの話をたくさんした。
話が楽しすぎて、寝たくなくなるほどだった。
ドゥマゲッティのことをたくさん思い出した。
みんな元気かな。
Jo’sチキン食べたいな…
キルギスの移動式住居で、何故かドゥマゲッティのことを思いながら寝てしまった。
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