Blog, イギリス
もうこれが最後でいいと思えた日
10月19日からの3日間、コッツウォルズ北部の村々を、気の向くままに気が済むまで歩いた。
このとき感じたことをどう書き残すべきか、こうして書いている今もまだ迷っている。
自分にとってそれくらい衝撃的な体験だった。
絶景に全身が打ち震えるほど感動したガン患者の身体から、ガン細胞が消えていたという奇跡の話を聞いたことがある。
とても信じられなかったけど、今となっては「そういうこともあるだろうな」と思う。
丘の上からこの景色を見たとき、自分の身体には明らかに細胞レベルの変化が起きていたと思うからだ。
今まで感じてきたもの全てが、目の前の景色に吸い込まれていくような気がした。
喜びも悲しみも、美しいものも醜いものも、自分の中の全てが一度打ち消されて、再び一つに帰っていくような感覚だった。
そのうち、ありとあらゆる記憶が蘇ってきた。
もう死んでもいいと思えるくらい幸せだった日のことも、大切な人を深く傷つけてしまった日のことも。
愚かすぎた過ちも、後悔しかなかった時間も、全てが景色に吸い込まれていった。
人は無意識のうちに、許しを乞うて生きているのかもしれないと思う。
1人では生きていけない我々は、生きているだけで必ず誰かを傷つけ、必ず誰かに傷つけられている。
なのに厄介なことに、それを直視し続けられるほど頑丈ではない。
景色に全てを吸い込まれた後、嬉しくて涙が溢れてきた。
もう自分を否定しなくてもいいんだと思えた。
これでやっと、自分の足で歩いていける。
本当の意味で、人と寄り添って生きていけると思えた。
ああ、私の旅は、ここでこうして許されるための旅だったんだなと思った。
こうして唐突に、旅の終わりの境地に達してしまった。
「あ、ここがゴールだ」「ここでもう終わりでもいいや」と思ってしまったのだ。
唐突すぎて正直戸惑ってもいる。
だって予定ではまだあと1カ月半あるのに(´Д` )
てかこういうのって「帰国まであと何日」とかカウントダウンしていく中で、じわじわと芽生えていくもんだと思ってたよ(´Д` )
でも、唐突だろうと何だろうと、
旅の終わりを実感できて、旅に心から満足できて、
こんなに幸せなことがあるだろうか。
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