Blog, オーストリア
ウィーン1日弾丸観光 〜どんだけだよハプスブルク家〜
世界有数の観光都市ウィーン。
しかしブダペストのようにのんびり周るわけには行かない。
オーストリアには他にも行きたい街がたくさんあるのだ。
そこでウィーン観光には今日1日のみを費やすことにした。
行き先も既にマッピングし交通手段もリサーチ済。
タイムスケジュールも頭の中に完璧に出来上がっている。
最初に向かうのはシェーンブルン宮殿。
ハプスブルク王家が誇る、世界で最も美しいとされる離宮の一つ。
宮殿とその庭園群は世界遺産に登録されている。
この宮殿で幼き日のモーツァルトがマリー・アントワネットにプロポーズしたとか、逸話もいろいろあって面白い。
あのウィーン会議が行われたのもこの宮殿の一室だ。
居室は全部で1,200室もあり、見学できるのはそのうち40室。
見学できない部屋の幾つかは、なんとホテルとして使われていたり、さらには賃貸住宅として開放されていたりするらしい。
住める世界遺産! すごいな!
「シェーンブルン宮殿に住んでまして」とか言われたらビビるだろうなぁ。
フランツ・ヨーゼフ1世の亡霊とか出てこないのかな(←)
とても立派なチケット売り場。
アンコール遺跡群のチケット売り場を思い出した。
自動券売機で40室全て見学できるグランドツアー(確か16ユーロ)を購入。
受付で日本語の音声ガイドを受け取って入場する。
中は撮影不可だったんですが、いやー凄かったです!
見渡す限り豪華絢爛で終始ポカーン。
フランツ・ヨーゼフ1世とマリア・テレジアの寝室、2人の幼き子供達の肖像画、書斎、食卓、謁見室、大広間、バス、トイレなんかまで観れた。
6歳のモーツァルトが皇帝に前でピアノを演奏したという部屋も観れたよ。
カール1世が退位文書に署名した「青い中国の間」が印象的だった。
あまりの煌びやかさに、1箇所目にして既にぐったりしてしまったけど、そのまま裏側の庭へ向かう。
こう言っちゃなんだが、内側に対して外側は意外と派手じゃないんだなと思った。
調べてみたら、元々は金を塗ろうとしていた外壁を、財政状況を考慮したマリア・テレジアが黄色に止めさせたと。
なるほど。
そして庭というか敷地が広い!
この写真を撮った自分の後ろ側も果てしなく敷地が広がっている。
小高い丘まである。
宮殿というより国立公園といった雰囲気だ。
途中の道々は庭というよりもはや「森」だ。
元々狩猟場だったエリアに離宮を建てたと知って激しく「なるほど」と頷いた。
敷地内には動物園まであるらしい。
ウィーン一望!
高い建物が無いから視界が開けて気持ちいい。
特に意味なく「ハプスブルク家イェーイ!」って叫びたくなる(←脳内に止めました)
しかし、「丘」というより「山」登りだったな。。疲れた。。
でも休んでいる時間はないので、早速次のスポットへ。
ウィーンで音楽家の住居と言えば「モーツァルトハウス」だと思うんですが、自分の思い入れ的には断然こちら、
ハイドンハウス!
夢で魘されるほど苦しめられたのは後にも先にもこの方の曲だけ!
まぁそもそもコンチェルト自体が最初で最後だったんだけど^ ^;
ハイドンが人生最後の12年間を過ごした住居。
晩年の大作「天地創造」「四季」はここで生み出された。
ベートーベンがハイドンに弟子入りするために訪れたのもおそらくこの家だ。
当時寝室だった場所の壁には、50曲に及ぶカノンの楽譜。
完全にプライベートな作曲で、ハイドンはこれらの出版を死ぬまで拒み続けたという。
寝室に置いていたクラヴィコード。
当時のハイドンの生徒たちもこのクラヴィコードを弾いたそうだ。
とても静かで落ち着いた空間だった。
こんな所で晩年を過ごせたら幸せかもなぁと少し思った。
特に庭が素晴らしい。
ベンチに座ってしばらくハイドンを聴いてみた。
ハイドン先生もきっとここに座って庭を眺めたんだろう。
胸がいっぱいになりながらも、浸っている暇はない!
次のスポットへ。
続いてやってきたのは
オーストリア国立図書館「プルンクザール」。
来てみたかったんだここ!
ホーフブル王宮の中にカール6世が建設したヨーロッパ最大のバロック様式図書館。
世界一美しい図書館の一つとも言われる。
20万冊という膨大な蔵書の中には、宗教改革者ルターの蔵書も含まれているらしい。
天井まで高く伸びる荘厳な本棚と、びっしり並ぶ古めかしい蔵書。
ディズニー映画「美女と野獣」に出てくる図書室を思い出した。
現実にもこんな図書室があるんだなぁ…
写本が幾つか展示されていた。
細部が本当に美しくて、ついつい見惚れてしまう。
ああ、さすがに色々一気に見過ぎてクラクラ…
でも最後のスポットの閉館時間が迫っているので、移動!
ラストは、
これ!
カラヴァッジョの「ロザリオの聖母」!
うわーーーほんとに観れてしまった! 興奮マックス!
デカイな!
こんなに大きい絵だったのか。
ずっと画面越しでしか見れなかった存在が、今まさに目の前に…
感動。
やっぱり不思議な構図だなー
聖母子の位置がとても高い。
そして上の赤い布の意味深さと言ったらない。
ちなみにここには同じカラヴァッジョの「ゴリアテの首を持つダヴィデ」も収蔵されているはずなんだけど、何故か見つけられなかった。
まさか見逃した?
いやそんなはずは、、、
まぁこのモチーフはカラヴァッジョのもう一枚の絵の方が好きだからいいや!(←雑!)
それにしてもこの美術館、
どんだけだよハプスブルク家!!
収蔵作品豪華すぎ!
しかもこういう作品が、
こういうノリで飾られている。
壁に対して絵の密度高すぎ!
こんなの1日で観るとか絶対無理じゃん。
てか後で知ったんですが、ヨーロッパの美術館って他もこの勢いらしいですね。
どうしたらいいんだ。。
個人的に好きな作品も幾つか。
アンドレア・ソラーリオ「サロメと洗礼者ヨハネの首」
この絵はヨハネの表情が印象的でよく覚えている。
ルーベンス「メデューサの頭部」
これも初めて見たときは衝撃的だった。
表情もだけど蛇が凄い。
これ誰の絵かわからないけど、右にヴェロニカ、左にマグダラのマリアの構図が面白い。
「イサクの犠牲」をモチーフにした作品がたくさんあった。
この話も旧約聖書の中ですごく印象的でよく覚えている。
神に「お前の息子のイサクを生贄に捧げよ」と命じられ、本当に息子を殺そうとするアブラハム。
でもそれは実はアブラハムの信仰を試すための試練で、殺す直前に神の使いが慌てて止めに入ったという話。
その後の親子関係はギクシャクしなかったんだろうかとか思ってしまう。
「sacrifice(犠牲)」って英単語もこの話で覚えたなぁ。
とにかくもう、夥しい量と質の絵画コレクション!
でもこの美術館は西洋絵画だけではない。
ここウィーンでまさかの、
古代エジプト!
知らなかったんだけど、ここ美術史美術館は大英博物館、カイロ博物館と並ぶ「古代エジプト三大コレクション」の一つらしい。
いやもうほんと、何度でも言います。
どんだけだよハプスブルク家!
というわけで「王家の紋章」ファンのみなさま、
ここからはリアル王家の紋章の世界をお楽しみください。
しかしこうして見ると、「王家の紋章」は本当に実物に忠実に絵に起こしてるんだなー
エジプトに返してあげた方がいいんじゃないかとか一瞬思ってしまったけど、ここになかったら自分は見れなかったんだもんな…
一長一短あるんだろうなぁ。
以上、ウィーン弾丸観光終了!
全部面白かったけどハンパなく疲れた。
歩行距離13km也。
アンコール遺跡巡りやアラコル湖トレッキングといい勝負(´Д` )
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