Blog, モロッコ
悠久の砂漠を旅したらハープを弾くしかない
メルズーガのリアド・マムーシュには3泊滞在し、プールサイドでゴロゴロしたり、砂漠を散歩したり、テラスで星を眺めたりと、この上なく贅沢な時間を過ごした。
日本人旅行者の間で有名なこの宿。
自分と同じく一人旅中の日本人にたくさん出会うことができた。
なかでも、この後のトドラ渓谷まで一緒に旅することになったゆみちゃん、ともこちゃん、すっかりお馴染みしおんさんの3人とは、毎日たくさん話をして、とても楽しい時間を過ごした。
旅友同士のおしゃべりは盛り上がる。
一人旅あるある、女旅あるあるなど、旅行者ならではのネタが尽きない。
さらに政治、外交、社会問題など、日本にいた頃は躊躇っていたような話題も、海外にいると何故か舌が滑らかになるから不思議だ。
「未だかつてこんなに熱くトークしたことがあっただろうか」と思うくらい、お互いの人生観を深く語り合ったりすることもある。
それを通じて自分の考えが改めて明確になったり、さらに視野が広がっていったりする。
こういう語りの場との出会いも、旅の貴重な財産なんだなと気づいた。
なかでも、歯磨き指導をしながら世界一周をしている歯科衛生士ゆみちゃんの話には胸を打たれた。
彼女はもう1年以上も途上国を周り、歯磨き指導を続けている。
日本で自力でスポンサーを探し、何度断られても諦めずにアタックし続け、出国直前にやっと協賛とツテを得たという。
わずかなツテやクチコミを頼りに、現地の教育機関から子どもたちに歯磨きを指導する機会をもらう。
一過性のイベントで終わらないよう、歯磨きの方法だけでなく「何故必要か」の意義から教えるのだそうだ。
英語はもちろん、南米で必要なスペイン語も学んで指導している。
また視覚資料も手づくりし、言葉の壁を越えて歯磨きの大切さを楽しく・わかりやすく伝えようとしている。
恥ずかしながら、自分はゆみちゃんに話を聞くまで、途上国の歯科衛生事情を全く知らなかった。
歯磨きの習慣がない国では、当然虫歯予防という発想もなく、「歯は年をとると抜けてしまうもの」という認識なのだそうだ。
だから食べられるものもどんどん減っていく。
そういえば、今いるモロッコも含め、途上国では歯がない大人をたくさん見かける。
一体どうやって噛んでるんだろうと思っていたけど、歯磨きの習慣自体がないとは想像もしなかった。
自分が最も心を打たれたのは、彼女の取り組みの持続力だ。
取り組みを思いつくことや、それを立ち上げることだけでもすごいけど、何より偉大なのは、それを継続することだと思う。
勢いや根性だけでなく、周りを巻き込む力と強いリーダーシップが必要だからだ。
私自身、自分で立ち上げまでいったことはあっても、それを継続できたことは未だ一度もない。
「もっとたくさん人を巻き込んでいきたい」と語るゆみちゃんの目はキラキラしていた。
世界にはこんな風に頑張っている日本人女性がいるんだと思うと、自分にももっともっとやれることがある気がして、勝手にたくさん勇気をもらった。
そんなゆみちゃんの歯磨き指導活動のFacebookページはこちら!
よかったら是非覗いてみてください!
いや、もちろんしょーもない話もたくさんしましたよ。
手洗い洗濯のつらさとか、海外イケメンのこととか、アルゼンチンの男性ストリップバーのこととか。
いや、しょーもなくはないな。
どれも高尚な話だった。
砂漠の散歩では時々、
ハープを弾いて楽しんだ。
気分は完全に、砂漠を旅するキャラバンの吟遊詩人だ。
重くてデカくて、 旅中何度も捨てたくなったハープだけど、この時ほど「持ってきて良かった」と思ったことはない。
てかむしろこのために持ってきた!
サハラ砂漠でハープを弾けるなんて夢みたいだ。
見た目優雅かもしれんけど、実際は砂が舞ったり蝿がたかってきたり(砂漠には蝿がとても多い)で結構大変だった(´Д` )
ちなみにこうやってカメラで写真撮るのもヒヤヒヤです。
砂が細かいので、カメラに入りこむと即壊れる。
現実はなかなかロマンチックにはいかないものだ。
宿から離れすぎず、かつできるだけ人気のないところで弾いていると、どこからかツーリスト4人組が現れて、10mくらい離れたところに自分の方を向いて座り込んでしまった。
これはもしかして自分の演奏を聴こうとしてくれているんだろうか、いや単に自分の後ろの夕日を見たいんじゃないか、だとしたらここから離れてあげた方がいいんだろうかなどとブツブツ考えるも、「聴こうとしてくれている」場合を想定して、一通り自分のレパートリーを弾いた。
これでもし「あいつ邪魔だなー」と思われてたら超恥ずかしいと思いつつ。
演奏を終えるとツーリストたちが声をかけてくれて、演奏をめちゃめちゃ誉めてくれた。
誉め言葉に対する喜びよりも「ああ、自分が勘違い野郎じゃなくて良かった」という安心の方が大きかった。
ツーリストたちは他の宿に泊まっているアルゼンチン人のグループだった。
「あっちで一緒に夕日を見ようよ」と誘ってくれて、お言葉に甘えた。
彼らは持参のマテ茶をご馳走してくれた。
彼らも長期旅行者だけど、茶葉もポットも専用カップもアルゼンチンから持参したのだという。
アルゼンチン人に会ったのも本場のマテ茶を飲むのも初めてで嬉しかった。
マテ茶は苦味が効いていてとても美味しかった。
苦いお茶を飲んだのは久しぶりな気がする。日本茶の味を思い出した。
彼らは1日最低2回はこれを飲まないと調子が出ないんだと言っていた。
自分も1日2回日本茶飲みたいなーと思った。
マテ茶のカップが濾し器一体型の優れもので日本茶にも応用できそうだったので、「これ欲しいなー」と思いながら2杯もご馳走になった。
男性でここまで似合う人はじめて見た。
彼は楽器が好きらしく、なんとマンドリンのこともよく知っていた。
アルゼンチンも音楽大国だもんなー
南米の音楽にもいつか触れてみたいな。
最後に、ちょっとですが、ハープの音を砂漠の空気感とともにお届け。
しおんさんが撮ってくれました! ありがとう^ ^
ブログランキングに参加しています!
↓クリックをいただけると励みになります。
にほんブログ村